バシュブー参謀総長は、激しい口調の挨拶で任務を(後任に)引き渡した。最後の挨拶は、テロとの戦いに自身の見解だった。
参謀総長の任務はバシュブーからウシュク・コシャネル陸軍大将に引き渡された。離任式で、バシュブー氏は、毒気のある演説を行い、約2年の在任期間を総括した。
バシュブー氏は、インターネットを通じた情報発信、判決が出ないうちに流布するクーデタの主張、(テロ組織による)アクテュテュン、ダールジャ襲撃後の激しい批判などを、激しく非難し、「後悔はない」と語り、任務を引き渡した。
トルコ国軍に対する心理的攻撃があり、そこではメディアが重要な役割を担っていたとする同氏は、「メディアはトルコ国軍を敵視しているのかと問いたい」と述べた。
氏の総括はレセプションでも続いた。テロが減少した時期、警戒不足だった面があるとし、「クルド語のテレビ放送のことか?」という問いに「それも一つだ」と答えた。「現在3、4の効果があるものは、当時行っておけば20の効果があった」と語った。
■ バフチェリはエルドアンに挨拶をしなかった
-司令部でのイフタール-
離任式は、イフタールの5分前に終わった。よって離任式を見守っていたエルドアン首相も、司令部で断食を解いた。首相は式の後のレセプションに参加し、用意された席についた。そしてイフタールの時間が来るのと同時に水を飲み、断食を解いた。首相のために特別な食事が用意され、それはしばしばチェックされた。
アブドゥッラー・ギュル大統領、エルドアン首相が参加した式典には、元参謀総長のヒルミ・オズキョクも出席した。最近話題となった元参謀総長のヤシャル・ビュユクアヌトが出席するかどうかが注目されたが、彼は離任式に姿を見せなかった。共和人民党(CHP)党首のクルチダルオールはイズミルでの除幕式に参加するため、離任式を欠席した。いっぽう、民主主義者行動党(MHP)党首のバフチェリは、式典に参加した。バフチェリ党首は式典の行われるホールへ入ると、エルドアン首相の前を挨拶もせず通り過ぎた。彼は内務大臣べシール・アタライの隣に座り、彼に冷たく会釈するだけだった。
■ 脅威となるバーチャルの力
1時間にもおよぶ長い演説を行ったバシュブー氏は、立ち去る前に衝撃的発言を行った。最初に強調したのは治安問題であった。彼は政治、軍事、経済、社会、環境など治安に関わる5つの分野を説明し、これにもう1つの側面を付け加えた。それはコンピュータ・テクノロジーの発展とともに重要度を増すサイバー戦争である。アルンチ副首相暗殺計画が騒がれているときに、(特別軍傘下の戦争遂行研究機関本部の)通信室捜査が行われるいっぽうで、自身の声がインターネットで流れたバシュブー氏は次のように述べた。
「コンピュータ・テクノロジーは、制御できないほどの速さで発展し、深化し、情報は世界規模で発信されています。それとともに、法が整備されず、悪質なグループ間での協力が増え、情報のコントロールが困難になってきています。ここ数年では、わが国と、特に国軍が同様の脅威と向かい合っています。この新たな脅威の最も重要な特徴というのは、バーチャルな空間は監督できないために、ほぼ無限の操作地点から最大規模の利用があるということ。コンピュータ・テクノロジーが生み出す可能性とともに、情報やニュースが世界中に発信され、情報の出し手が望む世論が急速に形成されているのです。」
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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:20045 )