憲法改正承認、生活はどう変わる?
2010年09月13日付 Milliyet 紙

トルコで昨日(12日)、25項目の憲法改正法案が国民投票にかけられた。4900万人の有権者が15万1000台の投票箱に票を投じた。58%の賛成票で可決された改正法案と変更点は以下の通り。

女性に対するポジティブ・アクション:
女性と男性は平等な権利をもつ。国は、この平等の実現について責任を担う。この目的のために取られる対策は、平等の原理に反するとは言えない。こども、年配者、障がい者、傷痍軍人、戦没者の未亡人や遺児、戦争犠牲者、凱旋兵に対し取られる対策は、平等の原理に反するとはみなされない。

スカーフ条項か?:
「平等」と題された憲法第2条に、「この目的にもとづいて取られる措置は、平等の原理に反するとは解釈されない」という文言が加えられる。この文が、今後スカーフに関して進められる動きの根拠となるという主張がなされている。

個人情報の保護:
何人も、個人に関係する情報が守られることを望む権利をもつ。個人情報は、唯一、法で定められた状況あるいは個人による明確な承認によってのみ、取り扱われる。個人情報の保護に関する原則および方法は、法によって規定される。

海外渡航の禁止:
国民が海外に渡航する自由は、唯一、犯罪捜査あるいは起訴を受け、さらに裁判官による決定にもとづく場合にのみ制限される。

こどもの権利:
すべてのこどもは、充分な保護を受け、「最善の利益」に明らかに反しない限り、両親との間で、個別的、かつ直接的に関係を築き、それを継続する権利をもつ。国は、児童虐待および暴力からこどもたちを守る手段を講じる。

公務員に団体交渉権:
公務員および他の公的職員は、団体交渉権をもつ。団体交渉の過程で不一致の結論に至った場合、双方は公務員審議会に申し立てられる。唯一、その調停委員会の決議のみが、絶対的であり団体交渉について最終決定権をもつ。

政治的ストライキに青信号:
労働者は、同時に2つ以上の労働組合に加入することができる。ストライキに参加した労働者および労働組合が仕事場で起こした物理的損害について組合が責任を問われることはない。政治的目的のストライキおよび工場閉鎖、同情ストライキおよびそれによる工場閉鎖、ゼネラルストライキおよび工場閉鎖、ピケッティング、サボタージュなどの抵抗を行うことができる。

公務員監査:
すべての人は、知る権利と公務員監査を請求する権利をもつ。トルコ大国民議会(TBMM)の管轄として設立された公務員監査委員会は、行政に関する苦情を調査する。公務員主任監査役は、TBMMによる秘密投票によって4年の任期で選出される。

政党の解党における議席はく奪は無効:
政党の解党決定の原因となった当該国会議員の議員資格ははく奪されることはない。

高等軍事評議会(YAŞ)の裁決方法:
YAŞにおける昇進や任命(への不満)を理由に退職した場合を除き、あらゆる罷免決定に対し裁判に訴えることが可能となる。

懲戒処分に対して司法への不服申し立て:
公務員に対する厳重忠告および訓戒についても、司法当局が監督する。

内部監査役:
法務職員と検察官の監督は、法務省監査役および裁判官、検察官からなる内部監査役によってなされる。調査および捜査手続きは、唯一、法務省の監査役のみが行うことができる。

クーデター罪は一般司法で:
軍事裁判所は、軍関係者が軍事に関して犯した罪についての訴訟のみを管轄することになる。国家の安全に対する罪、憲法体制に対する罪、そしてこの体制の実施に対する罪に関する訴訟は、いかなる事態においても一般法廷で裁かれる。

憲法裁判所の構成員:
憲法裁判所は17名の構成員からなる。
トルコ大国民議会(TBMM)は、2名を会計検査院から、1名を弁護士会が弁護士の中から擁立する3人の候補者の中から秘密選挙によって選出する。大統領は14名を選出する。大統領は、3名を最高裁判所、2名を行政裁判所、軍事最高裁判所および軍事高等行政裁判所から1名ずつを、3名を高等教育機構(YÖK)が規定する学識経験者、4名を弁護士および憲法裁判所の調査官から選ぶ。

個人による請求権:
憲法裁判所に対し、個人的に訴訟を求めることができる。何人も、欧州人権裁判所の範疇において、憲法で保障されている権利と自由が公権力により侵害されたという訴えをもち、さらに他の法的手段がない場合に限り、憲法裁判所に申請することができる。個人による訴訟における審議には、決定が出される。

憲法裁判所弾劾法廷(Yüce Divan)の方法:
憲法裁判所弾劾法廷の決定には、再審査の請求を行うことができる。

軍の司令官も憲法裁判所弾劾法廷の場で裁かれる:
参謀総長、軍司令官もその職務に関する犯罪に関しては、憲法裁判所弾劾法廷で裁かれる。

解党には3分の2以上の賛成票:
憲法裁判相は、2つの法廷と大法廷の体制となる。政党に関する訴訟および請求における取り消しおよび控訴の訴えは、憲法裁判所弾劾法廷の名のもとに大法廷で審議される。憲法改正による法律の無効化、政党の解党、あるいは政党に対し国による助成金を打ち切るという決定がなされるためには、全裁判官の3分の2以上の賛成が必要となる。

裁判官・検察官高等委員会(HSYK)の体制:
7名からなるHSYKは、22名の本委員、12名の予備委員からなる。HSYKは3部門からなる。HSYK委員長は、法務大臣が務める。法務省事務次官は、委員会の委員となる。委員会のうち、4名の本委員は大統領により選出される。3名を最高裁判所、2名を行政裁判所、1名を司法アカデミー、7名を民事・刑事司法に携わる裁判官と検察官、3名を行政司法に携わる裁判官および検察官の中から4年の任期で選出される。HSYKによる免職の罰則の決定に対しては、司法に訴えることができる。そのため、以前訴訟の対象にならなかったヴァン県検事のフェルハト・サルカヤ氏のときのように職を追われた者は、訴訟を起こすことができる。HSYKは30日以内に再審を行う。

経済・社会協議会(ESK)は憲法で定められた組織に:
ESKは、憲法に定められた組織となる。

クーデター実行者への訴訟:
9月12日クーデター実行者への訴訟を禁止した暫定項目である、現行の憲法15条は削除される。

現在の裁判官は65歳で定年に:
憲法裁判所の現在の予備裁判官は、法の施行日から正規裁判官となる。法の施行日の時点で、裁判官となった者は65歳まで職に就くことになる。

現在のHSYK委員はどうなるのか?:
法の施行日から30日以内にHSYKの委員は選出される。現在の委員は、選出が終了するまで留任する。

行政裁判所にブレーキ:
司法権は合法性の審査という形で用いられてはならない。この規定により、行政裁判所が合法性の審査を行い、民営化の入札を取り消す決定を行うことが防止される。

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( 翻訳者:萩原絵理香 )
( 記事ID:20160 )