参謀指令本部は、ハッキャーリで9人の村人が死亡した地雷爆発は分離テロ組織のメンバーによるものだと発表した。
参謀指令本部は、インターネットのサイトで行った説明で、「2010年9月16日の朝、ハッキャーリ県の中心にあるゲチトリ村から、村人たちをハッキャーリへと運ぶために出発したミニバスが、村の3キロ南東にあるカラタシュを9時10分頃に通過した時、分離テロ組織のメンバーによって道に埋められていた地雷が爆発した。その結果、ミニバスに乗っていた9人が亡くなり、4人が重軽傷を負った」と発表した。また参謀指令本部は、負傷した村人たちはヘリコプターですぐに病院へ移送され、治療が施されたとし、事件に関してハッキャーリ県共和国検事が調査を開始したと明らかにした。
平和民主党(BDP)のセラハッティン・デミルタシュ党首は、今日行った会見で、ハッキャーリの地雷爆発に関して、「この事件の真相が明らかにされれば、エルゲネコンがまだ息があるということ、活動しているということがわかるだろう」と話した。
ハッキャーリの中心部に位置するドゥランカヤ町ゲチトリ村付近で、村のミニバスが通った際、遠隔操作されたと考えられる、高い破壊能力を持つ地雷が爆発した。大きな被害が出たミニバスでは9人が亡くなり、4人が重軽傷を負った。事件現場から15メートルほど離れたところで2つの地雷と1つのロケット弾が入ったカバンが発見された。ハッキャーリのムアメル・チュルケル知事は、テロ行為に及んだ者たちの逮捕の為に、広範囲にわたる捜査を開始したことを話した。
28歳のアイドゥン・エロルさんが運転するミニバスは、女性や子供を含めた13人を乗せて、今朝、ドゥランカヤ町から7キロ離れているゲチトリ村を出発し、50キロ離れたハッキャーリ市に向かった。しかしミニバスは、村から2キロほどのところにあるカーブにさしかかり、9時頃にアスファルトの道路上で激しい爆発に巻き込まれた。
ミニバスは一瞬でバラバラの金属片となり、乗っていた人々も爆発の影響で吹き飛ばされた。事件により、バスに乗っていた運転手のアイドゥン・エロルさんを含む9人が命を落とし、4人が負傷した。PKKのテロリストが、遠隔から爆発を操作したと考えられており、爆発物の種類はいまだ明らかにはなっていない。しかし地雷であったために、爆発物があった道路には大きな穴があいた。
■村人たちは悲鳴を上げた
村のすぐ近くで起こった爆発の後、死傷者の近親者と共に、約500人が事件現場におしよせた。犠牲となった人々の近親者は遺体のそばで嘆き悲しみ、涙にくれていた。村人たちは、叫びながら爆発を起こした者たちの一刻も早い発見を望んだ。軍警察は、周辺地域に他の爆発物や攻撃があるかもしれないとして、村人たちを避難させた。
■地雷入りのカバン
軍警察が事件現場を立ち入り禁止にする中、何人かが爆発があった地点から15メートル離れたところでカバンを発見したことを伝え、それを記者たちへ示した。村人たちは、カバンを開け、袋に包まれた2つの地雷と1つのロケット弾、それらの製造番号を示し、この事件が軍警察諜報テロ対策局(JİTEM)によって行われたことを主張し、実行犯の逮捕を望んだ。
軍警察はカバンを持っている人を注意し、地面に置くよう指示した。その場が緊迫した状況となったため、軍警察は上空に向けて発砲し、群衆を散らそうとしたが、村人たちは石を投げて抵抗した。このため村人たちはカバンを手放した。
テロリストの攻撃により負傷した4人は国と軍から派遣されたヘリコプターでハッキャーリに移送された。3人の負傷者はハッキャーリへと運びこまれ、負傷した赤ん坊はヴァンへと移送された。ヴァンに移送された赤ん坊は、市内に降りることなくマラティアへ送られた。爆発があった地域へ派遣されたヘリコプターも、その地域で多くの兵士を降ろした。3人の負傷者の治療が行われたハッキャーリ国立病院の前にも多くの人が押し寄せた。そこでは、警察が病院前と周辺を広く警備した。病院の入り口に障壁をもうけ、機動隊が病院に入ることを許可しなかった。
■捜査は始まった
負傷した4人は、ハッキャーリ国立病院で治療を受けた。生後6カ月のゼイネプ・クルトという名前の赤ん坊は、応急処置を受けた後、救急ヘリでマラティアに移送された。ハッキャーリのムアメル・チュルケル知事は、負傷者の中には子供もいると話した。関係者は、負傷者の治療は続いているが、健康状態はよいと発表した。
ハッキャーリのムアメル・チュルケル知事は、犠牲者の遺体はハッキャーリに運ばれること、テロ攻撃を行った者たちの逮捕の為に、地域では広範囲にわたる捜査が開始されていることを話した。
■死傷者の名前
爆発で死亡した人と、負傷した人の名前が公表される前に、村人から寄せられた情報によると、死亡した人の名前は以下の通りである:
アイドゥン・エロル(30)、エシュレフ・ギュル(32)、エネス・エロル(22)、シリン・クルト(23)、アブゼイト・イデム(40)、ジェネ・ダヤン(50)、ザリフェ・チフチ(25)、セミハ・ダヤン(35)、ヌルラフ・ウミト・チフチ(3)
負傷した人は以下の通りである:オズギュル・イデム、スデンアズ・クルト、ベリヴァン・ダヤン、ゼイネプ・クルト(6カ月)
■10人と言われていた死者が9人と修正された
ハッキャーリ県知事府は、死者は9人であると修正した。ダヴト・シナンオール副知事は、最初の段階では爆発があった地区で集められた遺体の断片から、死者は10人だと確認されたが、その後ハッキャーリ国立病院の慰安室で行われた調査によると死亡者が多く発表されたことがわかったと述べた。この間違いは、爆発によって遺体がバラバラになっていたことによると述べたシナンオール副知事は、死者のうち名前が判明しているヌルラフとウミト・チフチが同一人物であること、3歳のヌルラフ・ウミト・チフチであること、負傷者は4人であると発表した。
■知事:実行犯は遠隔操作した
ハッキャーリ件知事府によって行われた説明では、爆発と2つのリュックの中から見つかった爆発物に関する調査が行われていると発表された。会見は以下のように続いた:
「2010年9月16日の9時5分頃に、ゲチトリ村からハッキャーリ方面へ出発したナンバー65 EN 341の市民が乗ったミニバスに対してのテロ組織メンバーによる、地面に埋め込まれていたとされる遠隔操作可能な種類の修正不可能の爆発により、初動捜査によると9人の市民が命を落とし、4人が負傷した。地域で行われた調査では、爆発があった場所で、中に様々な生活用品や、電気機器が入った2つのリュック、2つのロシア製対戦車地雷、迫撃砲弾、中に爆発装置として仕掛けられたと考えられる、C-4プラスチック爆弾などが発見された。事件に関しての調査は引き続き行われている。」
■デミルタシュは何を言った?
BDPのセラハッティン・デミルタシュ党首は、ハッキャーリの地雷爆発に関して「この事件を明らかにすればエルゲネコンがまだ息があること、活動していることが分かるだろう」と述べた。
デミルタシュ党首は、党本部で行われた記者会見で、ハッキャーリの地雷爆発について悲しみを表明し、お悔やみを述べた。
デミルタシュ党首は、BDPの要求に政府が「前向き」な返事をしたことについて、ジェミル・チチェキ副首相とサドゥッラー・エルギン法相と大国民議会で今日の14時に会談を行うことになっているが、この会談の時間は「挑発的」な行動を防止する目的により、最後まで明らかにしないと表明した。「この会談についてはただ私たちの電話を受けた人たちにのみに知らせた」とするデミルタシュ党首は、このため「ハッキャーリにおける爆発が起こった日と時間が次第に重要になる」と述べた。
デミルタシュは、爆発の後、政府によって会談が延期されたことを述べる一方、「この事件がどういうものであったかは明らかだ。 “良い子たち”が関わっている。政府はこの挑発に降伏している。このような政府は国の平和を守れない」と話した。
事件が短時間で明らかになり、犯人も明るみに出て欲しいとするデミルタシュ党首は、ベシル・アタライ内相が事件現場に行き、先頭に立ち捜査を行うことが必要だと述べた。
党首は、記者たちの質問にも答え、「大国民議会における会談では何が話し合われる予定だったのか」という問いについては、会談では政治的問題と改憲に着手することに関して話し合う予定であったと述べた。
デミルタシュ党首は、爆発に関する他の質問に関しても、「事件現場には重大な証拠が残されており、これらの調査が必要だ。シェムディンリに似ていないか、背後に“良い子たち”はいないか、証拠を見れば明らかになる。この事件を解明すればエルゲネコンがまだ息があるということ、活動していることがわかる」と述べた。
デミルタシュはこの事件に関して、できる限りの協力を行うと付け加えた。
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( 翻訳者:近岡由紀 )
( 記事ID:20184 )