中東和平交渉、入植地問題で難航
2010年09月15日付 al-Hayat 紙

■ シャルム・シェイフ交渉に入植地問題の暗雲

2010年09月15日付『アル=ハヤート』紙(イギリス)HP1面

【シャルム・シェイフ:ジーハーン・アル=フスニー】

 パレスチナ・イスラエル直接交渉の第二ラウンドが昨日、シャルム・シェイフで始まったが、実のある結果を出すのは容易ではなさそうだ。イスラエルが同日、今月末までの入植凍結の延長を拒否するという声明を発表している一方で、パレスチナ側は入植を続けるならこれ以上交渉の席にはつかないと警告しているためだ。昨日シャルム・シェイフで行われた会談でこの立場が確認されたとパレスチナ側の代表が明かした。

 この交渉は、占領への抵抗を継続すると誓っているガザおよびダマスカスのパレスチナ諸派から反対を受けている。またイスラエルの街頭では、前進の実現に対する悲観的な見方が充満しており、それが新聞各紙の見出しや世論調査の結果にも反映されている。またこの間に、エルサレム市の整備・建設委員会がユダヤ教の祝祭が明ける二週間後に会合を開き、占領下エルサレムの南部にあるガファアート・ハムトゥース入植地に1362軒の住居を新築するために立案された二つの計画について協議することが明らかになっている。

 シャルム・シェイフのリゾート地は昨日、パレスチナのマフムード・アッバース大統領、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相、ヒラリー・クリントン米国務長官が出席した交渉の開催地となった。これに先立って複数の二国間会談が行われ、エジプトのフスニー・ムバーラク大統領はパレスチナのアッバース大統領と共に、今回のラウンドを成功させる方法について話し合った。次にムバーラク大統領はネタニヤフ首相と会談し、信頼を築き交渉を継続させるチャンスを強めるためには、入植を完全に停止する必要があると主張した。またムバーラク大統領はクリントン氏とも会談したが、クリントン氏自身、3者会談が始まる前に、アッバース・ネタニヤフ両氏とそれぞれ会談していた。また交渉ラウンドの後には、ムバーラク大統領がアッバース大統領、ネタニヤフ首相、クリントン国務長官を集め、交渉のテーブル上に乗った複数のテーマについて話を聞いた。続いてアッバース大統領、ネタニヤフ首相、クリントン国務長官で夜に二回目の交渉の席がもたれ、「交渉の第一ラウンドおよび交渉外の議論の場で達成された内容に上積みする」ための会談が行われた。

 エジプトの国営通信社MENAは、イスラエル首相の政治顧問であるロン・ダーマー氏の発言を引用し、アッバース氏とネタニヤフ氏は「3者会談を始めるにあたり、固い握手を交わした」と報じた。また同通信社が報じたところによると、パレスチナ側は交渉の中で、2008年12月にアッバース大統領とイスラエルのエフード・オルメルト前首相の交渉が中断した地点から交渉を始めるよう主張したが、イスラエル側は現政府への拘束力はないとみなしているという。

 交渉が行われている建物にはイスラエルの報道陣が大挙してはりつく一方、ネタニヤフ首相とクリントン国務長官が滞在しているグランド・ハイアットホテルの周囲や、代表団が意見や書類を交換している小会議室の入口には、アメリカの治安部隊が配備されている。
(後略)

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( 翻訳者:梶原夏海 )
( 記事ID:20188 )