国際社会がイスラエルに入植活動凍結の延長を呼びかけ
2010年09月22日付 al-Hayat 紙

■ 潘基文国連事務総長、中東和平カルテット、EUがイスラエルに入植活動凍結措置の延長を呼びかけ

2010年09月22日付『アル=ハヤート』紙(イギリス)HP1面

【ニューヨーク:ラーギダ・ダルガーム、ナザレ:本紙】

 パレスチナ・イスラエル和平交渉の継続を妨げる様々な障害を克服するため、国際的な努力が続けられているが、双方が各々の立場を堅持する中、交渉成功の可能性を悲観する見方が双方の間で強まっている。入植地問題によって新たな試みが台無しになることへの危惧が強まる中、潘基文国連総長と中東和平カルテット[米、国連、EU、露]とEUはイスラエルに対して、現在の入植地凍結措置を延長するよう再び呼びかけた。

 こうした中、イスラエル軍のガビ・アシュケナジ参謀総長は、同軍は交渉が失敗した場合にヨルダン川西岸地区で「暴力行為が起こる」シナリオに備えている、と強調した。テルアビブ駐在のジェームス・カニングハム米大使は、駐イスラエルEU各国大使との非公開会談で「アメリカ政府は、イスラエルとパレスチナ自治政府の交渉が近いうちに爆発してしまうことを恐れている」と語ったと伝えられている。

 パレスチナのマフムード・アッバース大統領は、入植活動が続けられた場合にパレスチナ側が交渉に対してどのような姿勢をとるかをイスラエル政府に通達したと述べている。一方イスラエルのネタニヤフ首相は、パレスチナ人がイスラエルをユダヤ人国家として認め、東部国境地帯にイスラエル軍が駐留することも認めるという無理な条件をあらためて提示した。

 国際社会では昨日、パレスチナ国家機関の構築を支援する諸国と中東和平カルテットの連携が行われた。支援諸国がパレスチナのサラーム・ファイヤード首相と会談した後、ノルウェーのヨーナス・ガール・ストーレ外相が、世界銀行の「パレスチナ自治政府が現状のように国家機関の建設と公共サービスの提供を続けていけば、近い将来にいつでも独立国家の樹立が可能な状況に達するだろう」とのレポートに言及がなされた会合について、中東和平カルテットに報告するよう委任されたのである。

 ノルウェー外相は、自らがカルテットへの報告を委任されたことによって、和平交渉のプロセスと、パレスチナ独立国家の組織構築に向けたプロセスが「結びつけられる」ことになると説明した。

 国連の潘基文事務総長は、ニューヨークで月曜日の夜に行われた国連総会の合間にイスラエルのシモン・ペレス大統領と会談し、ヨルダン川西岸地区における入植活動凍結措置を謳った文書の期限を延長するよう呼びかけた。また中東和平カルテットもニューヨークで会合を開き、イスラエル政府に入植活動凍結措置を延長するよう呼びかけた。EUのキャサリン・アシュトン外交代表もヒラリー・クリントン米国務長官との会談の後、イスラエルに「入植地の建設作業に関する凍結措置文書の期限を延長するよう」呼びかけている。

(後略)

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( 翻訳者:梶原夏海 )
( 記事ID:20246 )