兵役制度の統一化に関するヴェジディ・ギョヌル国防大臣の発表が混乱を招いている。以前は参謀指令本部の技術的な課題をクリアして首相府に提出済みと話していたが、その後誤解であるとの弁に転じた。
ウシュク・コシャネル参謀総長がレジェプ・タイイプ・エルドアン首相との会談で兵役制度にも触れる可能性があるとして、ギョヌル大臣は「話題となった可能性はある。しかし国防省から首相府に上げられた議案はない。まだ我々の中で協議している段階だ」と話した。統一兵役制度が実現すれば、大学卒業者とそうでない者たちの間に差異がなくなり、全員が同じ期間、国民としての役割を果たすことになる。現在は、大卒者は6ヶ月間という短期の兵役だが、他の者は15ヶ月間務めてやっと除隊となる。これが新しい制度では9ヶ月に統一されるというのだ。当然、大卒者は落胆し、そうでない者は喜ぶだろう。大卒者は3ヶ月期間が延びるのに対し、それ以外の者は6ヶ月も短縮されるのだから。一方、新しい制度では、軍の要請により四大卒者から選ばれる予備士官期間が廃止される。予備士官も兵役中は兵卒として任務につく。コシャネル参謀総長も現職に着く前に、新しい制度の内容をほのめかす発言をしており、「兵役は誰にとっても平等であるべきだが、高等教育を受けた人々がより長期間、より効果的な形で貢献できるような仕組みづくりをすることも重要である」と話した。
これに対し、専門家たちは新しい制度に批判的だ。もと軍警察指令本部少佐のケマル・シャーヒン氏は下記のように話す。「兵役が6ヶ月の今も大卒者は兵役に行きたがらない。お金を払って免除されるのを待っている。9ヶ月になれば兵役逃れの数が増えるだろう。誰も行きたがらない。大学まで出た者が9ヶ月も何をするのか?じゃがいもの皮むき、食堂での種抜き、将校クラブでウェイターをさせられるのだ。トルコ国民は息子たちを士官・下士官の世話をするために兵役に送り出しているのか?」
もと空軍少佐のジュネイト・デミルジャン氏は「大卒者は自分の専門分野で貢献した方がよい。NATO加盟国が軍部を縮小している中、我々は増大させようとしている。我々も縮小し、先端技術兵器を装備して戦う必要がある。兵役はもっと短くするべきだ。誰もがお金による免除が適用されるまで入隊を遅らせようとするだろう」などと語った。
もと少佐のシャーヒン・アクドアン氏は、兵役期間短縮の必要性を強調する。「トルコでは軍人不足は存在しない。むしろ過剰だ」と評する。
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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:20273 )