大学におけるスカーフ問題、高等教育機構の通達で解決!
2010年10月04日付 Hurriyet 紙
公正発展党(AKP)と共和人民党(CHP)が大学でのスカーフ着用解禁に向け憲法による解決策を模索している中、高等教育機構(YÖK)が先手を打った。高等教育機構による通達により、憲法による制約に関わらず、ようやく学生たちはスカーフを着用したまま授業に出席することができるようになった。高等教育機構のユスフ・ズィヤ・オズジャン会長はこの件に関する質問に返答し、「この決定は先例を作り出すでしょう。全大学で実践されるでしょう。誰であっても教室からほおりだされることがあってはなりません」と話した。
NTVのイディル・ギュンギョル氏が伝えるところによると、諸政党の議論を巻き起こしているこの問題は、憲法裁判所のハシム・クルチ所長が提案した通り、「実践において」解決された。
イスタンブル大学ジェッラフパシャ医学部で、ある学生がスカーフを着用していたために授業を退出させられるという出来事が発生した後、この件は高等教育機構の審議にかけられた。高等教育機構の返答は、事実上、スカーフを解禁するものであった。
高等教育機構は、学生が「規律違反」であるといった理由で教室を退出させられないこと、退出させた教員に対しては調査が行われることを通達した。
高等教育機関のこの返答は、イスタンブル大学本部から全教員に伝達された。
今後、スカーフを着用して授業に出席しようとした学生が、授業を受けられなかったり教室を退出させられたりすることはなくなる。教員は報告書を書き、これを学部長に提出するだけで十分である。この指示に従わない教員に対しては調査が行われる。
■YÖKのオズジャン会長、スカーフに関する決定を説明
高等教育機関(YÖK)のユスフ・ズィヤ・オズジャン会長は、イスタンブル大学でスカーフを着用し授業に出席した学生が退出させられた事例や、これを受け高等教育機関が下した決定に関し説明を行なった。オズジャン会長は次のように述べた。「いかなる理由があっても学生を追い出すことは正しいとは言えません。報告書が作成され、学生と教師がサインをします。その後の処置は大学によりいろいろでしょう。しかし授業に出席している学生を、授業の途中で退出させるのは好ましいことではないでしょう。我々はそれを防止しようと努めたのです」
ユスフ・ズィヤ・オズジャン会長は、アブドゥッラー・ギュル大統領と共にカラデニズ工科大学(KTÜ)で行われた新年度の始業式に出席した後、新聞記者らの質問に答え次のように述べた。「まず次の点を確認してください。(問題となってる学生は)スカーフを被っていたわけではありません。帽子を被っていたのです。ご存知のように、普段スカーフを着用している学生は、それを隠すためにその上に帽子のようなものを着用します。教員はこれが規則に反しているとして授業から追い出したのです。理由が何であろうと、学生が教室から退出させられることがあってはなりません。このために設けられた手続きがあります。まず報告書を作成し、学生はその下にサインをします。あなた方教員もサインします。これさえすれば、その後学生を退出させることはできません。その報告書にもとづき手続きをします。学生が再び(問題行動を)したら、再び報告書を書いて下さい。その後、なにか罰則を科す、ということになるなら、課せばいいのです。(問題の)教員はこれをせずに学生を追い出しました。これは適切でなく、いかなる理由においても授業から学生を退出させてはならないと当事者らに我々は言っているのです。状況はこうです。スカーフ問題に直接関係のあることではありません。学生は帽子を被っていたのです。スカーフではありません。」
オズジャン会長は、学生を退出させた教員に関して行政上の処置がとられるか否かについては何の報告も受けていないと強調し、「我々はその通達を書きましたが、我々には何も届いていません。学長が当該の教員には知らせたと思います」と話した。また会長は、スカーフを被って授業に出席できるか否かに関する質問には、「その件についてはここのところ政治家たちが尽力しています。ごく近いうちに解決されると思います。いずれにせよ、我々のいうべきことはすでにいいました」と返答した。
YÖKのオズジャン会長は、新聞記者の「学生たちは明日からスカーフを被って登校できるのですか?」との質問には「ここのところ各政党が尽力しています。意見の一致がみられたら、スカーフがダメということにはならないでしょう。ただ、明日というほどの短期間で解決できるとは思えませんが」と表現した。
(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:20310 )