アラブ首脳会議、アラブ諸国の新協働体制と「近隣諸国同盟」について協議し閉幕
2010年10月10日付 Al-Ahram 紙

■ ムバーラク大統領、アラブ連盟の枠組み維持の立場を堅持

2010年10月10日付『アル=アハラーム』紙(エジプト)HP1面

【シルト:アティーヤ・イーサウィー、マスウード・アル=ハンナ―ウィー、サリー・ワファーイー】

リビアの都市シルトで開かれていた臨時アラブ首脳会議が昨日閉幕した。今回の首脳会議では、アラブ諸国協働体制の発展と、「アラブ近隣諸国同盟」政策について協議が行われ、これら2つの議題とその他の議題に関していくつかの決議が採択された。

決議の中には、先の6月28日にトリポリで開催された5ヶ国最高委員会による勧告の採択も含まれている。同会合では、アラブ諸国協働体制の発展について協議が行われた。今回の首脳会議ではアラブ連盟事務局に対して、この課題に関する議定書草案を練り直し、3ヶ月後に開催される予定のアラブ連盟閣僚評議会に協働体制のあり方について提案を行うよう委任がなされた。

また、アラブ近隣諸国の問題に関して今回の首脳会議では、「アラブ近隣諸国同盟」計画について検討すべく、アラブ首脳会議議長を長とする閣僚級委員会を設置することと、加盟諸国が引き続きこの問題に関してアラブ連盟事務局にアイデアを寄せるよう要請することが決定された。

首脳会議は昨日の朝に開会され15ヶ国の元首が参加、その他の諸国からは副元首ないし副首相、或いは外相級が代表として参加した。開会式の後、アラブ諸国指導者らは非公開会合を開き、臨時首脳会議の2つの主要議題について協議を行った。

エジプトのフスニー・ムバーラク大統領は、首脳会議での発言の中で、あらゆる分野にわたって入り組んだ課題に取り組むにあたって、アラブ諸国の立場を統一するよう呼びかけ、地域及び国際情勢の展開によって、アラブ諸国協働体制の発展の必要性は倍増していると説明した。

ムバーラク大統領は、協働体制を推し進めるためのエジプトの方針を示し、それが3つの主要な柱の上に成り立っていることを述べる一方で、協働体制の発展がこれまで受け継がれてきた重要な遺産や、60年以上にわたって蓄積されたアラブ諸国協働の豊かな経験との断絶をもたらさないようにする必要があることも強調し、「それゆえエジプトは、アラブ連盟と名付けられた、この遺産と経験を象徴する存在を維持していく必要があることを強調するとともに、アラブ連盟の実行力を発展させるという我々の目的の根本を突く新しいヴィジョンの採用にも最大の関心を持っている」と主張した。

またムバーラク大統領は、2004年のチュニス首脳会議やその後の諸首脳会議以来の合意に沿った漸進的な発展の原則を強調し、「我が国では、現実主義と大望を併せもつ漸進的な発展こそ、協働体制の改革が単なる高尚な目標にとどまらず、実現可能な具体的な歩みとなるための正道であると確信している」と述べた。

アラブ近隣諸国政策に関しては、ムバーラク大統領は、アラブ諸国の利益実現のため、近隣諸国に対する共通のヴィジョンを明確化することが必要だと強調した。

またムバーラク大統領は閉会式での演説で、首脳会議議長であるムアンマル・カッザーフィー指導者の努力を称賛した。

スライマーン・アウワード大統領府報道官は昨日、シルト首脳会議では、アラブ諸国協働メカニズムの発展と「アラブ近隣諸国同盟」の2つの主要な議題が取り上げられたと述べた。

アラブ首脳会議議長を務めたリビアのカッザーフィー革命指導者は、シルト首脳会議の開会式において、「今回の臨時首脳会議は、アラブ諸国協働の新機構について検討するために開催されるものだ」と述べている。

一方で、ムバーラク大統領は今日、第2回アラブ・アフリカ首脳会議の開会式を行い、アラブ・アフリカ首脳会議の今期議長としてカッザーフィー氏に議長職の移譲を行う予定である。

また一方、アフマド・アブルゲイト外相は[パレスチナ・イスラエル]直接和平交渉の継続は、イスラエルが入植活動を停止するか否かにかかっていると強調した。

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( 翻訳者:在間咲野 )
( 記事ID:20415 )