アレヴィー派の村にモスクを建てイマーム任命
2010年10月17日付 Radikal 紙


4年前、チャナッカレ郡デニズギョリュンドゥ村に、ジェム・エヴィではなくモスクが建設された。モスクのイマームのもとには、この4年間、信徒がいない。村人たちは「われわれは何も知らされていなかった、ジェム・エヴィ(の建設)を望んでいたのに・・」と話した。

保守派を代表する人々が、アレヴィー派による「宗教科目」必修反対の声を受け入れ、またジェム・エヴィでの礼拝要求を認めはじめている昨今、あるアレヴィーの村では2007年に建設されたモスクで4つの「奇妙な物語」が起きている。信徒がいないために、モスクのイマームは何年間も唯一人で礼拝を行なっている。このため、イマームは週に3日、近隣の村で職務を果たしている。

チャナッカレ郡の人口300人のデニズギョリュンドゥ村に建設されたモスクは、2007年3月19日に完成し、アリ・バルダクオール宗務庁長官によって開設式が行われ、モスクとして利用可能となった。
バルダクオール長官はそのオープニングセレモニーでのスピーチで、「新しく建設されたこのモスクが、デニズギョリュンドゥ村の人々にとって一体性や連帯感を深める場所となることを信じています」と話した。国家はモスクのために7万リラ(約385万円)出費した。しかし、全く関心が寄せられなかった。

というのが、アレヴィー派の村人たちは礼拝を、モスクではなくジェム・エヴィで行っているからだ。アレヴィー派の村人たちは、彼ら自身に何の相談もなくモスクが建設されたとして、モスクへ立ち寄ることは全くなかった。宗務局からモスクへ派遣されたイマーム(導師)のバキ・ペセン氏は、日に5回の礼拝を4年間ずっと一人で行った。イブラヒム・カフヤ村長が、時としてペセン・イマームに付き合うこともあった。モスクが建設されて以来ずっと、庭にある棺安置所も一度も使われていない。それは、アレヴィー派であるデニズギョリュンドゥ村の人々は、亡くなった親族を自分たちの慣習や伝統によって埋葬するためである。そして結果的に信徒を持たないペセン・イマームは、週に3日他の村々に行ってイマームの職務を果たしてきたのだ。

村の住民の一人であるハサン・ドゥルムシュさんは、モスクが村人の意向を聞かずに建設されたと話す。「モスクが建設されるときに、われわれに相談してくれていれば、このように反発することはなかっただろう。しかし、モスクではなくジェム・エヴィ(の建設)を望んでいた。」その一方でイブラヒム・カフヤ村長は、モスク建設の申請は自身が行ったことであると述べ、「ジェム・エヴィも建設されるならば、それには反対しない」と話す。

■アレヴィー派へコラムニストたちから支援

アレヴィー村へのモスク建設は、今回初めて問題となったわけではない。マラトゥヤやカイベリでも、アレヴィー村へのモスク建設が反発を受けた。アレヴィーの人々は、この状況を欧州議会にまで持ち込んだ。

つい最近、何千人もの人を動員してデモを行ったアレヴィー派は、「必修宗教科目」の廃止に加え、ジェム・エヴィの法的地位獲得や、国家からの支援を望んでいる。アレヴィーたちのこれらの要求に対し、保守派の人々からも支援が寄せられている。

ザマン紙のコラムニストであるヒュセイン・ギュレルジェ氏は、アレヴィーたちが7年もの間捨ておかれていたと発言し、「恥であり、罪である」と述べた。またブギュン紙のコラムニストであるアフメト・タシュゲティレン氏も、「宗教の授業を受けることを望まない人々にそれを強制することは、人権にそぐわないことである」と発言した。スター紙のアフメト・ケケチ氏も、「アレヴィーたちの要求を真剣に受け止める必要がある」と述べている。

■信徒のいないモスクが調査されている

ハジュ・ベクタシヴェリ・アナトリア文化財団は、アレヴィーの村々に建設されたモスクの数を確認するために調査を開始した。財団のエルジャン・ゲチメズ会長は、今日までこれに類似する調査が行われなかったと述べ、以下のように話した。「アレヴィー村には数多くのモスクが建設されましたが、信徒を持つモスクは一つもありません。(モスク建設の)最初の段階として、カイセリ県のサルオーラン郡やチョルム県のトゥルグト郡、チュクロレン郡、ビュユクジャミリ郡、アダナ県のクユムジュラル郡やカラハン郡、ヨズガト県のエルマアージュ郡やビュユクマハル郡、そしてメルシン県タルスス郡のテケリキョイを挙げることができます。しかもサルオーランには、二つ目のモスクが竣工されました。しかし、現在トルコ全体でいくつのアレヴィー村にいくつのモスクがあるのか、誰もこのことを知りません。このため、チョルムから調査を始めました。チョルムにおける数字については近々発表するつもりです。今後も他の村々に関する調査を続ける予定です。」

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:20422 )