エルドアン首相、ギリシャ訪問を前に「平和」メッセージ
2010年10月20日付 Milliyet 紙
レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が、アテナ訪問を前にし隣国へ平和のメッセージを送った。エルドアン首相は、ギリシャのスカイTVえ一昨日(19日)深夜に放送されたメッセージの中で、エーゲ海におけるトルコとギリシャの戦闘機の活動に関し、「我々はそもそも島々の上空をいかなる戦闘機も飛行しないことを望んでいる。トルコ参謀本部、トルコ軍はこの問題をデリケートな問題とみている。私も、ギリシャの戦闘機が非常に広範囲に飛行を行いその範囲がトルコの大陸棚にまで及んでいることを、遺憾に思っている。両国の間で、それほど多くの見解の相違があるわけではない。この点において相互理解が必要だ」と話した。
エルドアン首相は、この活動の費用は非常に割高であると強調し、エーゲ海においてトルコとギリシャの戦闘機の飛行がNATOにより管理される必要があると述べた。
■ NATOが管理を
エルドアン首相は発言のなかで、「両国世論の心理を変えなくてはならない」という表現を使用し、次のように続けた。
「両国世論より軍事(的視点)を払拭しなければならない。状況を軍事的価値観から見るべきではない。親愛なる(首相ゲオルギオス)パパンドレウ氏もこう進捗することを望んでいるだろうと考えている。」
二国間には戦闘機の活動の他に、大陸棚に関する問題も存在するとも述べたエルドアン首相は、「これらの問題の存在は残念なことだ。しかし、相互理解が軍事費用の削減に役立つであろう」と表現した。
■ 空中戦に9年間で4億4750万ユーロ
ギリシャは、トルコの戦闘機をエーゲ海上空で追尾し、空中戦に挑むため2009年には2500万ユーロを支出した。軍関係者らは、F-16型戦闘機の活動費は1時間に1万ユーロ、ミラージュ型については1万1000ユーロであると述べる。
戦闘機の活動費は1時間に1万5000ユーロだ。2009年にギリシャの戦闘機はトルコ機の追尾のため1383回離陸した。2009年におけるこれらの飛行費用は2562万ユーロである。ギリシャは、2000―2009年の間にトルコ戦闘機がギリシャ領空もしくは飛行情報区に49228回侵入したと主張している!2000―2009年の間にトルコ機に対してギリシャ機は合計19888回の追尾飛行を行った。2000―2009年の飛行費用は合計4億4750万ユーロだ。
この数字には、墜落した航空機や生命を失ったパイロットらへの保障費用は含まれていない。
(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:岩根匡宏 )
( 記事ID:20453 )