ユルドュズ工科大学において、スカーフ問題に関して互いに対立する意見を持つ学生間の衝突が起こった。このため、警察機動隊が大学に派遣され、「大学の自由、女性の自由のためスカーフに反対」と書かれたプラカードの取り下げを求めた。プラカードを掲げた学生たちと警官の間にも騒動が起きた。警察は、警棒や催涙スプレーを用い、結局この事件で5人の学生が負傷した。
この大学のベシュクタシュ・キャンパスで、大学におけるスカーフの自由化に反対する学生組合とトルコ共産党員から成るあるグループの学生たちが、抗議活動を行った。「大学の自由、女性の自由のためスカーフに反対」「命令に背こう、立ち上がろう」と書かれたプラカードを掲げた学生たちと、それに反対する学生たちとの間で議論が起こった。まもなくして、議論がけんかに変わると、大学に機動隊が呼ばれた。
大学に到着した警察は、議論の原因となったプラカードの取り下げを求めた。学生たちは、この警察の要求を拒否し、「高等教育機構(YÖK)廃止!、警察退去!、大学自由化!」」「大学を守れ、公正発展党(AKP)の好きにさせるな」というようなスローガンを叫んだ。しばらくの間、学生たちと対峙した警察は、学生たちに解散を求めた。しかし、学生たちは言うことを聞かなかった。このため警察は、強硬な手段をとった。学生たちを追い払うため、催涙スプレーと警棒を使用した。この騒動で、5人の学生が軽傷を負った。
■学生たち、警察の介入に抗議
負傷した学生たちは、この事件に抗議するため大学の入口に集まった。他大学の学生も加わり、負傷した学生たちによる抗議を応援した。およそ200人の学生が、警察の介入に反発を示した。負傷した学生のひとり、アンダチ・ユルドゥルムさんは「一日前、反動主義者たちが、僕たちが大学で掲げたプラカードを破り捨てたことが緊張のはじまりです。彼らはソーダ水の瓶や椅子、こん棒のようなもので攻撃してきました。僕たちは今日もまた自分たちのプラカードを掲げました。彼らは僕たちを攻撃するために集まりました。僕たちも自分たちのプラカードを守るため集まったのです。後から、まず民間の警備員が、さらに後には警官が介入してきました。彼らは友人たちを隅に追いやり、プラカードを破きました。とても激しい攻撃でした。負傷した友達もいます。彼らは、学生組合の友人を逮捕しました。AKPとYÖKは『大学にもっと私服警官を』と言っています。安全のために。僕たちはこう言います。『彼らが大学に与える安全とは、つまりこういうことなのだ』と。AKP、YÖK、そして警察は、僕たちの大学に必要ありません。」
■我々のプラカードは破られた
今回起きた事件で足を負傷したと主張するジャン・メストさんも、次のようにコメントした:
「国民投票後、大学で、説明が行われたこともあった。大学でのスカーフ着用解禁について、私服警官の大学への配置について、といったように。僕たちも間でも意見が分かれています。僕たちの意見を説明するためビラを用意しました。それをプラカードにして、昨日アピールしようとしました。しかし騒動になり、プラカードは破かれました。僕たちも、この騒動を批判するため、さらにビラを用意しました。これを再び掲げると、また大学で反動的活動をする集団が出てきました。双方で衝突が起こった後、警察がやってきました。僕たちと対立した学生のグループは、警官たちに『彼らを(つまり僕たちを)取り押さえてください。できなければ自分たちがやります』と言っていました。そして警官たちは僕たちを攻撃してきたのです。」
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( 翻訳者:大久保はるか )
( 記事ID:20460 )