環境保護派、歴史的勝利―ダム建設予定のリゼ県イキズデレ渓谷、保護地区指定
2010年10月22日付 Radikal 紙


トラブゾン文化・自然保護協会は、本日(22日)歴史的な決定を下し、リゼ県のイキズデレ渓谷を自然保護地区と宣言した。これによりイキズデレ、アンゼレ・オヴィト地域で建設が予定されていた22基の水力発電所(HES)プロジェクトが棚上げとなった。この地域を保護地区に指定するために2008年から今日まで法廷闘争を行ってきた元イキズデレ協会のカデム・エクシ会長は、「今日は我々が水力発電所の手から解放され、緑や自然を子どもたちに残す吉報がもたらされた日です」と述べた。

イキズデレ渓谷は、リゼ県のイキズデレ郡にあり、今回、世界の200の主要な環境保護地域の1つに指定された。当地で建設が予定されていた水力発電所のため、2008年にイキズデレ協会が主導し法廷闘争が始められた。しかし、裁判所と専門家の調査が継続していたにもかかわらず、水力発電所4基が建設され操業が開始された。発電所のうち1基も過日、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相の出席で操業式が行われた。この地域では、さらに22基の水力発電所計画がり、場所が確定されプロジェクトの承認段階にきている。

■ 結論が出た

トラブゾン文化・自然保護協会の科学技術委員会は、昨日(21日)、イキズデレ渓谷で最後の調査を行った。本日、協会委員は招集され、満場一致でイキズデレ渓谷を自然保護地区に指定した。裁判に訴えた元イキズデレ協会のカデム・エクシ会長は、協会のこの決定により、当地域で建設が予定されている22基の水力発電所計画が棚上げされたと述べ、「今日、歴史的な決断が行われました。イキズデレとトルコが勝利しました。今日は我々が水力発電所の手から解放され、緑や自然を子どもたちに残す吉報がもたらされた日です。 文化、文明と生態系が勝利したのです。文化観光大臣、協会の会員、我々を支援してくれた皆さんに感謝します。この決定で当地は再生し、観光面で発展するでしょう」と語った。

エクシ会長は、イキズデレ渓谷の下流域で今日までにすでに4基の水力発電所プロジェクトが実施された事に触れ、「しかしながら保護地区に指定された地区ではプロジェクトは1つも着手されていません。22基が計画されていましたが、それらも棚上げされました。協会の決定後では、すでに2863号の法律に従い、この地域では採石場の建設が禁止され、鉱業の(操業)も禁止となり、そして水力発電所の建設には許可が与えられないでしょう。つまりエコシステムと生態系を脅かす建築活動は行われないはずです」と述べた。

リゼでは、以前、チャムルヘムシン郡にある有名なフルトゥナ渓谷が自然保護地区の指定を受けていた。こうして、フルトゥナに続いて自然環境保護の面で重要なイキズデレ渓谷も水力発電所の建設から救われた。イキズデレ渓谷に関する決定により、蜂蜜で有名なアンゼル高原での水力発電所建設計画も無効とされた。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:20466 )