トルコにも高齢化社会の足音
2010年10月22日付 Zaman 紙

アクデニズ大学文理学部老年学科長のイスマイル・トゥファン教授はトルコにおける60歳以上の人が現在、人口の10.1パーセントであるとし、来年にはこの数値が10.7パーセント、2014年には14.3パーセント、2020年には20.3パーセントに増加すると予想されていると述べた。

イスマイル・トゥファン教授はオルビア文化センターで開催された第3回「トルコ・ドイツ老年病学・老年学教室」で「トルコにおける老年学発展」について発表を行った。トゥファン教授は、第1次「トルコ老年学研究」から10年にわたる調査を経て、「トルコ老年研究2」の研究報告を作成していることを明らかにした。

トゥファン教授はトルコには今現在5大病にかかっている人が317万5千人いて、50歳以上の人口は、1500万人を超えたと述べた。高齢者の30パーセントが慢性病や障害を抱えていると語ったトゥファン教授は、「我々はこうした人々を見捨てるわけにはいきません。高齢者介護は娘に任せれば良いという見方はやめる必要がある。高齢化をもっと真剣に考えることが必要です」と述べた。

トルコにおいて高齢者に身体的・精神的暴力が広まっていると語るトゥファン氏は老人介護施設においても、熟練職員の確保に苦労していると指摘した。トゥファン氏はアメリカ合衆国では、家族が高齢者をスーパーマーケットやショッピングセンターの前に置き去りにするということが起きていることにも言及し、同様のことはトルコでも起こっていると説明した。また、トゥファン氏は、年老いた両親をモスクの前に置き去りにしていると言い、2009年にアンタリヤのムラトパシャ・モスクの前で9人のお年寄りが置き去りにされる事件があったという、当時アンタリヤ県知事だったアラアディン・ユクセル氏の発言に言及した。

「トルコは静かに、そして急速に高齢化している」と話すトゥファン教授は2050年には9千万人以上になるであろうトルコの人口のうち、3千万人が高齢者で、そのうち1400万人が介護を必要とし、5大病を患っているという予想を発表した。

■出産年齢は27歳に上昇

トルコ統計機構のデータによると、2009年に出産した母親の平均年齢は27歳であった。合計出生率は2008年には2.14人であったが、昨年は2.06人に減少した。昨年、124万1617人の赤ちゃんが生まれ、そのうち51パーセントが男の子、49パーセントが女の子であった。2009年の地域別統計では、概算出生率が最も高かった地域は南東アナトリアの2.72人で、最も低い地域は1.16人の西マルマラであった。地域別の平均出産年齢は、27.5歳でイスタンブルと南東アナトリアが最も高かった。最も低いのは25.9歳で中央アナトリア地方だった。

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( 翻訳者:猪股玲香 )
( 記事ID:20468 )