イラク、天然ガス田の国際入札を実施するものの企業の関心は低く
2010年10月20日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■ 治安情況と技術的困難が開発の最大の障害に

2010年10月20日『サバーフ・ジャディード』紙(イラク)HPイラク面

 昨日行われた天然ガス田開発のための入札では、天然ガスの採掘・精製分野で知られるグローバル企業の関心の低さが目立った。

イラク石油省が公表した応札資格を取得したグローバル企業45社のうち、実際に入札に参加したのはそのうち13社にとどまった。今回の入札対象にはイラクの天然ガス埋蔵量の約10%を占める巨大な3つのガス田、ディヤーラ県のマンスーリーヤ・ガス田(埋蔵量4.5兆立方フィート)とアンバール県のウカーズ・ガス田(埋蔵量約5.6兆立方フィート)、バスラ県のスィーバ・ガス田(埋蔵量1.1兆立方フィート)が含まれていた。今回の入札は、荒廃したイラクのエネルギー部門の改革と、国家再建と国内の燃料消費のため早急に求められている天然ガスの供給量増大にとって、根本的に重要な意味を持つ。

 対象となった3つのガス田のうち最大規模となるイラク西部のウカーズ・ガス田を落札したのは、韓国の韓国ガス公社、カザフスタンのカズムナイ社、それにフランスのトータル社とトルコの国営石油会社TPAOが形成したコンソーシアムであった。一方TPAOおよびカズムナイ社と提携したクウェイト・エネルギー社が、クウェイトとイランの国境に近いスィーバ・ガス田を落札した。クウェイト・エネルギー社エクゼクティブ・マネージャー、サラ・アクバル氏は、「これは両国の関係を将来の改善に向けてシフトさせる転換点である」と語った。

 原油の確認埋蔵量で世界第二位のイラクは、「第一ラウンド」「第二ラウンド」と称してグローバル企業を対象にこれまでに2度、油田の公開入札を行い、多数の企業から応募があったと同時に、国内に広範囲な議論を引き起こして来た。イラクは歳入の90%を石油に依存しており、2003年にアメリカが主導した侵攻と、それ以前からの経済制裁や怠慢による状況の悪化を経て、国を再建するために現金収入を切実に必要としている。
(後略)

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( 翻訳者:梶原夏海 )
( 記事ID:20484 )