教皇庁イスタンブル代表、バチカンのシノドで初めて中東が議題に
2010年10月24日付 Radikal 紙


教皇庁イスタンブル代表のルイス・ペラトーレ司教は、この地域においてアラブ諸国が重要であると述べ、「イスラム教もキリスト教のように多彩な宗教である。トルコにおけるイスラムは独自のものだ。それぞれの国が抱える問題は異なる」と話した。

バチカンでシノド(宗教会議)が開かれ、2週間にわたり中東のキリスト教徒の問題について話し合われ、この地域での衝突や信仰の自由、移民問題などが取り上げられた。

教皇庁イスタンブル代表のルイス・ペラトーレ司教は、バチカンでアナトリア通信に行った説明で、「バチカンでは初めて中東を議題にしたシノドが行われた。この地域ではアラブ諸国が重視されている。イスラムもキリスト教と同じく多彩である。トルコのイスラムは独自のものだ。それぞれの国が抱える問題は異なる」と語った。

ペラトーレ司教は「例えば、キリスト教徒の移住はトルコでは1920年代に起こった。このため、これはもう今の議題としてはふさわしくない。トルコでは近年、キリスト教マイノリティーの権利において重要な進展がみられた。しかし、我々はカトリック教会が法人として認められることを期待している。例えば、銀行で個人口座は開設できるが、法人口座は開設できない。なぜなら法人として認められていないからだ」と話した。

バチカンで今日終わりを迎えた会議で議題の一つとなったのが、教皇庁アナトリア代表のルイージ・パドベーセ司教が6月3日にイスケンデルンで専属運転手のムラト・アルトゥンによって殺害された事件であった。この事件に関し、トルコ在住のカトリック関係者が異なる見解を示している。

トルコ・カトリック司教協会会長兼イズミル大司教のルッゲロ・フランチェスキーニ氏はバチカンでの発言で、イタリア人司祭のアンドレア・サントロ氏と新聞記者のラント・ディンク氏が暗殺されたことに言及し、「パドベーセ司教も民族主義者と原理主義者によって暗殺された。この事件も前々から画策されていた殺人だった」と話した。

これに対しペラトーレ司教は、フランチェスキーニ氏の発言がメディアにより大袈裟に書き立てられているにすぎないと述べた。一方、バビロン・カルデア派カトリック総主教代理のフランチョイス・ヤカン氏はというとアナトリア通信に行った会見で、「フランチェスキーニ氏の発言がメディアにどう響いたかは知らないが、パドベーセ暗殺がキリスト教徒に対する事件だったと考えることはできない。私のイスラム教徒の友人達は、その事件を私よりも悲しんでいた。この様な悲劇はどこでも起こりうる。事実、その暗殺事件の後、一人のイマームもテロの犠牲になった。聖職者を殺すことは、いかなる宗教も認めていない」と語った。

トルコにおけるカルデア派のリーダーであるヤカン氏は、「教皇ベネディクト16世がパドベーセ暗殺事件をどうみなしているかは明らかだ。教皇はこの暗殺事件がトルコやトルコ国民とは無関係だと述べている」と語った。

教皇ベネディクト16世は、パドベーセ暗殺事件に関して、6月に南キプロスを訪問した際、飛行機の中で、「事件をトルコやトルコ国民と結びつけるべきではない。宗教や政治的暗殺ではなく、個人的な問題によりこの事件は起こったと確信している」と話した。

一方フランチェスキーニ氏は教皇ベネディクト16世の会見後に、教皇の見解は間違っているとし、「暗殺事件は、トルコ政府にもアンカラにも個人的問題にも関係がない。完全にイスラム教に関係している」と述べた。フランチェスキーニ氏は、バチカンのシノドで教皇ベネディクト16世が臨席する中で会見を行い、パトベーセ司祭が「民族主義者と原理主義者」によって暗殺されたと再度見解を述べた。

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( 翻訳者:百合野愛 )
( 記事ID:20487 )