イスラーム革命最高指導者「イラクの繁栄は治安の確立と政府樹立にかかっている」
2010年10月19日付 Jam-e Jam 紙

イスラーム革命最高指導者のアーヤトッラー・ハーメネイーは昨日朝、イラクのヌーリー・マーリキー首相とその随行団との会談で、イラク国家はイラン・イスラーム共和国にとって兄弟であると指摘し、イラクの新政府樹立が数ヶ月も遅れていることに言及して、「政府を可及的速やかに立ち上げ、治安を完璧に確立することこそ、イラクにとって重要かつ必要なことである。なぜなら、イラクが繁栄と発展を成し遂げ、イラク国民が自らにふさわしい地位を獲得するためには、この二点の実現が必要不可欠だからである」と強調した。

 同師はさらに、「イラクのすべての当局者、政治関係者、そして愛国者たちは、可及的速やかな政府の樹立に注意を集中させるべきだ」と指摘した。

 ハーメネイー最高指導者は、イラクの治安状況は以前に比べて改善していると評価した上で、こう述べた。「相対的な安定にもかかわらず、未だにイラクでは不安定な状況も見られる。こうした不安定さは、不安定さを作り出すことに自らの政治的利益を見出している、一部列強の〔イラクに対する占領政策の、あるいは不安定さの〕強要に起因するものだ」。

 アーヤトッラー・ハーメネイーは、イラクは豊かで古い歴史を有する国だと指摘し、「このような〔豊かな〕歴史を有するイラク国民が、現在直面しているような困難に巻き込まれることは甚だ不適当だ」と強調した。

 同師はまた、イラン・イスラーム共和国にとって、イラク国民の痛みと辛苦は不快なことであり、他方でイラク国民の勝利と成功は喜ばしいことだと強調し、「イラク国民は、〔政治的に〕覚醒した国民であり、侵略者が同国を再び支配する可能性はもはや存在しない」と指摘した。

 イスラーム革命最高指導者は終わりに、至高なる神がイラク国民の問題を取り除くために、すみやかにイラクからアメリカの悪を断つことに、期待を表明した。

 ラヒーミー第一副大統領も臨席したこの会談で、イラクのヌーリー・マーリキー首相はイラン・イスラーム共和国がイラク国民を様々な局面・困難な状況において支援してきたことに感謝を表し、「イラクにとってイラン・イスラーム共和国との関係は、他国との関係の筆頭に位置づけられるものであり、それは戦略的関係といえるものである」と強調した。

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(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:井口秀太 )
( 記事ID:20497 )