欧州人権裁判所、キプロス・ギリシャ人財産保障問題でトルコに記録的賠償命令
2010年10月26日付 Hurriyet 紙

欧州人権裁判所(AİHM)は、キプロス・ギリシャ人の一連の財産権裁判の中でトルコに対し、1300万ユーロという史上最高額の賠償金を支払うよう命じた。この裁判は2009年に結審しており、トルコは賠償を命じられていた。

欧州人権裁判所のウェブサイトに掲載された声明によれば、2009年に命じられていた賠償の額が本日(26日)の法廷で決定された。この決定によりトルコは原告であるキプロス・ギリシャ人に対し、3ヶ月以内に1331万5千ユーロ(約15億円)の賠償を支払うことになる。
この決定は、同裁判所が一度に命じた賠償金の最高額となった。
欧州人権裁判所は2009年9月22日付で下された決定で、一連の裁判の中で、トルコが居住権の保護や私的・家庭生活の尊重といった原則を侵害しているとの判決を下していた。
しかし賠償要求に対する判決は10月26日、つまり本日まで先延ばしされていた。
欧州人権裁判所に訴えを起こした人たちは、1974年の(トルコによる)軍事介入の後、再び家に戻ることができないでいると訴えており、トルコが人権を侵害していると主張していた。

■賠償委員会の設立以前に出されていた訴え

本訴訟に関する欧州人権裁判所への訴えは、1990年から1999年の間に出されていた。
欧州人権裁判所が1300万ユーロの賠償を命じたこの裁判は、キプロスで賠償委員会が設立される前に開かれていた。欧州人権裁判所は、この問題に関してこれから行われる裁判をすでに賠償委員会に委ねている。
欧州人権裁判書は昨年(2009年)の判決で、南キプロス・ギリシャ系地域(キプロス共和国)から財産問題に関してトルコに対し開かれる裁判では、北キプロス・トルコ共和国(KKTC)で設立された不動産賠償委員会が対応を行うとの見解を承認していた。

■キプロス・ギリシャ人に5000万ユーロの賠償金が支払われた

欧州人権裁判所が北キプロス・トルコ共和国の財産賠償委員会を「有効な法的処理方法」と認めた結果、いくつかの申請が行われ、キプロス・ギリシャ人に対しこれまでに5000万ユーロ(約56.4億円)の賠償金が支払われた。この賠償金は北キプロス・トルコ共和国の予算からではなく、トルコからの支援によって支払われた。

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( 翻訳者:三上真人 )
( 記事ID:20503 )