■ イスラーム銀行の預金額、2012年には1兆ドルに
2010年10月27日付『アル=ハヤート』紙(イギリス)HP経済面
【ドバイ:ダラール・アブー・ガザーラ】
複数の銀行関係者の話では、イスラーム銀行の預金総額は年平均15%~20%の増加率で、2012年には1兆ドルに達する見込みだという。この数字に従来型のイスラーム窓口やイスラーム投資ファンドは含まれておらず、その数は現在500で、今年中に1000に達する見込みだ。
イスラーム銀行業界はこの40年間で急速に発展し、いまや世界中に約450のイスラーム銀行や関連組織がある。その約40%はアラブ諸国、特に湾岸諸国を拠点としており、これらの銀行や金融機関の資産ベースは7000億ドル超である。
このような勢力拡大にも拘わらず、A.T.カーニー社が昨日発表したレポートでは、「世界的な金融危機は、銀行部門の成長期に歯止めをかけた」と述べられている。同社はイスラーム銀行が「従来型の金融機関よりも急速に成長していたが、他の金融機関と同様に金融危機の影響を受けた。そのため、成長を続けるこの部門は合併や買収を必要としている」ことを否定していない。
またA.T.カーニー社は、「金融危機は、アラブ地域におけるイスラーム銀行の連帯の必要性を浮き彫りにした。イスラーム銀行が狭い領域から脱して商業活動の支流の一つになることが主要な課題だ」と指摘したうえで、「イスラーム銀行が商業活動の支流の一つになり得なかった場合、根本的な成長の余地が限られてくる可能性がある。湾岸協力会議諸国の一部の市場には、同種の金融機関がひしめいている」と警告した。
A.T.カーニー中東支社金融機関コンサルティング部のアレクサンダー・フォン・ブック部長は、「地域内の一部のイスラーム銀行は現在、将来より強力なプレーヤーとなる成長機会を狙って長期計画を策定中だ。合併や買収は、より協力で競争力のある金融機関を構築するための方策となる」と述べ、イスラーム銀行が「従来型の銀行と競合関係にあり、近年は市場におけるシェアを奪いつつある」と指摘した。
(後略)
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( 翻訳者:梶原夏海 )
( 記事ID:20532 )