ジャヴァード・ラーリージャーニー氏「ウィキリークスのドキュメントは改変されている」
2010年10月26日付 Jam-e Jam 紙

「イラン・イスラーム共和国人権本部」のジャヴァード・ラーリージャーニー書記は、ウィキリークスによって公開されたドキュメントは改変されたものだと述べた上で、「このサイトはアメリカ人自身の手の中にあり、彼らによって運営されている」と語った。

 メフル通信によると、ジャヴァード・ラーリージャーニー氏はシンポジウム「アメリカにおける人権」でこのように述べ、さらに次のように付け加えた。「このサイトは、イラク戦争、及びアフガニスタン戦争に関するドキュメントを流したが、戦争の真実を暴露しようというよりもはむしろ、米軍部隊の罪を洗い流そうとしている。イラク軍による拷問を非難する一方で、米軍はこの拷問を傍観していたとだけ主張している。しかしながら、米軍には拷問や殺害を無数に行った事実がある。イラクやアフガニスタンでは、アメリカの手によって数々の拷問・殺害が行われてきたのである」。

 ラーリージャーニー氏はさらに、次のように明言した。「我々はジュネーヴで今月中旬に開催される国連人権理事会(UPR)で、アメリカ人の行った拷問について、またアメリカがテロ行為に関与していることについて、訴えを行うつもりだ。なぜなら、今日アメリカはテロリズムにひどく汚染されており、偽善者集団〔※〕の件は、この大問題の氷山のほんの一角にすぎないからだ」。
〔※イランの反体制組織モジャーヘディーネ・ハルグ(MKO)のことで、イラクに基地をもっていた。対イラク攻撃後、米が対イラン用に同組織をイラク国内にかくまっているとして、イランは非難している〕

 イラン・イスラーム共和国人権本部のラーリージャーニー書記は、イランは世界の文化の発祥地に他ならないと強調した上で、さらに「我々は世界の人々、とくに西洋諸国の人々に対して、人権という点で手本となるものをもっている。もちろん、UPRの場ではこのことについて、議論・意見交換が行われるだろう」と指摘した。

 同氏は「アメリカによる人権違反のリストは、きわめて長大だ。これらの違反は戦争だけに限定されない。むしろ、アメリカ国内における人権侵害の割合もきわめて多い」と語り、例として「例えば以前は、アメリカでは24時間以上の拘留を行うことはできなかったが、今日では治安を口実に、時間的制約なしに人々の拘留を行っている。しかも、司法機関さえ拘留についてなにも知らされていない、という状況で行われているのである」と述べた。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:長島太郎 )
( 記事ID:20572 )