タクスィム広場を血に染めた自爆犯の氏名と所属している組織が明らかになった。テロリストを特定した警察は、捜査を開始した。爆発に関し、現時点までに、犯人の兄を含む8人が拘束された。テロリストの名は、ヴァン県のギュルプナル郡に戸籍をもつ24歳のヴェダト・アジェル。所属する組織は、爆発後に(PKKが)関与を否定したにもかかわらず、やはりPKKであった。テロリストは2004年に組織に加わったと見られている。
自爆犯は、3カ月前に、ハブル国境を通って、トルコ国内に入ったことが判明した。PKKは事件後に否定したが、自爆犯はPKKのメンバーであったことがわかった。自爆犯のヴェダト・アジェルは、事件の日、犯行前にタクスクム広場のある店でラフマジュンをたべ、その後に犯行に及んだこともわかった。
タクスィム広場で日曜日(10月31日)に発生し、警官15人を含む32人が負傷した自爆テロを起こした人物は、ヴァン県ギュルプナル郡に住民登録をしているヴェダト・アジャルであることがわかった。
24歳のアジャルは、テロ組織PKKのキャンプで訓練を受けたと言われている。アジャルの一家はイスタンブルのバージュラル区に住んでいるが、アジャルは1ヵ月前に家族の元を離れ、バフチェリエヴレル区のシリンエヴレルで家を借りたことが確認されている。
自爆犯ヴェダト・アジャルは、イスタンブルのシリンエヴレルにあるこの家で暮らしていたことが明らかになった。この自爆テロ犯は4階建ての建物の1階(日本式の数え方では2階)で暮らしていたことがわかったが、近隣住民の間で彼を目撃したものは非常に少ない。すぐ隣の部屋の住人は、1ヵ月から1ヵ月半前に引っ越してきたと言われているアジャルを一度も見かけたことはないと証言した。下の階のレストランの従業員は、「土日に店にやってきた。全く喋らなかった」と語った。上の階の部屋の住人は、「ドアが開いていて家の中が見えたが、廃墟のようだった。中には2人いた」と語った。
■自爆犯は5年前にヴァン県を離れていた
イスタンブルのタクスィム広場で日曜日に発生し、警官15人(訳者注:原文では10人)を含む32人が負傷した自爆テロの犯人ヴェダト・アジャルは、ヴァン県ギュルプナル郡ウズンゲディキ村に住民登録をしていることが明らかになった。
一家はウズンゲディキ村を5年前(2005年)に出て、イスタンブルのシリンエヴレルに移り住んだことがわかった。自爆犯アジャルは、2004年11月にテロ組織PKKに加わっている。アジャルはベーチェット病を患っていることが明らかになっているが、長い間村に帰っていないと見られている。自爆犯アジャルが5年前に出て行ったウズンゲディキ村には、彼の親戚の一部が暮らしており、兄のうち一人もまだ同村チュルグ地区に住んでいる。
■自爆犯家族の自宅も捜索を受ける
タクスィム広場を血で染めた自爆犯ヴェダト・アジャルが約2ヵ月暮らしていた、バージュラル区エヴレンにある、ある団地にある家族が所有する家での警察による捜査は、夕方終了した。対テロ闘争担当局所属の警官らは、捜索の後に大きな袋を抱えて家を後にしたことが明らかになった。一方で周辺の住民たちは報道陣に反発して取材を拒否した。
アジャルは自爆テロの2日前、家主でバーを経営する人物にクーラーボックスが欲しいと伝え、家主はクーラーボックスを15個持ってきたことがわかった。自爆犯ヴェダト・アジャルは、クーラーボックス2個を自爆テロで使用し、家宅捜索でも13個が押収された。
さらに家宅捜索ではセダト・アジャル名義の身分証が押収された。自爆犯が警察に逮捕されないためにこの身分証を使用していたと考えられる。強制捜査の結果、バージュラルやバフチェリエヴレルで行われた捜査で8人が拘束された。拘束されている容疑者の中にはアジャルの家族も含まれている。容疑者らに対して警察で取り調べが続けられている。
イスタンブル県知事はこの件に関する発表を行った。発表は次の通り。「2010年10月31日日曜日10時40分頃、イスタンブル市ベイオール区のタクスィム広場で機動隊担当局の待機場所に向けて行われた凶行に関して、テロ活動の首謀者を特定する目的で行われた捜査の結果、自爆テロを起こした人物は、ヴァン県ギュルプナル郡に住民登録をもつ1986年生まれのヴェダト・アジャルという名前の人物と特定された。アジャルは2004年に分離主義テロ組織に加わっており、事件やこの人物に関する捜査は多方面から続けられている。」
タクスィム広場で起こった爆発を誰がもしくはどの組織が起こしたかについては、本日(2日)発表がなされる。ヒュセイン・チャプクン・イスタンブル警察署長は、ベシル・アタライ内務大臣が今晩、事件に関する発表を行うと述べた。
■負傷した4人の警官は退院
タクスィム広場での爆発攻撃で負傷した警官のうち、タクスィム救急教育研究病院で治療を受けていた4人の警官も退院した。10月31日のタクスィム広場での自爆テロ攻撃で負傷した警官のうち、本日退院した人の氏名は次の通り。エブベキル・トゥラン、メフメト・クズルテペ、ナーイム・ヤマル、ヒュセイン・エロル。テロの直後に一緒に同病院に運ばれた4人の警官の治療は継続している。
■米国から声明、「警告はしなかった」
在アンカラ米国大使館は、トルコでの市民に向けたタクスィム・テロについて、(トルコ在住米国民向けの)警告はしなかったと伝えた。同大使館によって発表された声明では、「在アンカラ米国大使館は、週末にイスタンブルで発生した爆発攻撃に関してトルコの報道機関から出されたニュースを完全に否定する。これらのニュースは訂正がなされるべきである」とされ、次のように続いた。「在アンカラ米国大使館と在イスタンブル、在アダナのアメリカ総領事館は、週末のテロに関し、特別な警告を発していない。トルコでこの種のテロが起こり得るということに関して、米国民に警告はなかった。」米国では在外国民と安全保障上の情報を共有する際に、「二重基準にならないこと」を保障する目的の確固とした法律があるとする同大使館は、「別の言い方をしよう。メディアに流れたニュースでほのめかされていたような形で、合衆国政府が、小規模なハロウィンパーティの参加者たちに警告を発することはあり得ない」と述べた。同大使館は「架空の」ニュースは攻撃の犠牲者に対して「無礼」であると主張し、声明の中でさらに「合衆国政府とトルコは、世界全体でテロとの戦いにおいて協力して奮闘している。それを否定するような主張を行うことは、我々の関係の基礎にある原則の一つに対して行われる、最悪の攻撃だ」と続けた。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:三上真人 )
( 記事ID:20577 )