義務教育期間13年へ延長へ―第18回国民教育会議終了
2010年11月03日付 Hurriyet 紙
第18回国民教育会議で、義務教育期間を、高校を含め13年に延長すること、初等教育学校における義務教育は(2006年)以前のように前期(小学校)5年・後期(中学校)3年とすること、中等教育では進級制度の代わりに授業単位制度を導入し、学校の早期卒業を可能にすること、1週間の授業時間を減らし、休み時間を延長するなどが委員会で決定された。
「初等教育と中等教育の強化、中等教育への就学確保」という問題を話し合った委員会は、報告をまとめた。
委員会では8年間の義務教育について議論がなされており、「発達段階の特性をかんがみ、異なるレベルの生徒が一緒に教育を受けることで生ずる問題を取り除くため、初等教育学校での8年間の義務教育は、生徒の年齢と発育段階に注意しながらレベル分けがなされる。このレベルに応じて生徒たちが別々に教育を受けれるように、学校でのクラスを分ける」という提案が受け入れられた。さらに委員会は、義務教育期間を、高校を含め13年に延長するという決定を下した。
昨日は「国防授業カリキュラムの改善、各科目担当教員による授業実施」という提案についても審議し、これは、「国防授業カリキュラムの改善および各科目担当教員による授業実施のための法整備」という形に変更された。
■授業時間が減少し、休み時間が増加する
委員会では生徒にとって嬉しいいくつかの事項も承認された。まず、中等教育での1週間の授業時間の減少、休み時間の増加、進級制度の代わる授業単位制度の導入、早期卒業の実現」などの点で合意に達した。同委員会では女子学生の就学率増加も議論の的となり、「女子学生の中等教育継続奨励の推進、新しい全寮制高校の開校、女子児童就学のため優遇措置」が承認された。
委員会では「中等教育における制服の廃止、服装自由化」についても話し合われたが、国民教育省が服装自由化という方向ですでに活動を行っており、(ここで)決定を下すのは不必要であるとされた。
■契約制導入
委員会では教員養成、採用そして指導能力向上について話し合われたが、そこで契約制教員の導入に関して議論され、緊迫した話し合いとなった。委員会では教員候補を対象に公務員試験、又はこれに準ずる試験で、「教職に関する一般教養の問題の他に、大学での専攻に応じた、それぞれの専門分野に関する問題も出題する」という点も決定された。
さらに委員会は、「教員雇用における、正規、契約、臨時などの雇用形態の違いを撤廃し、1つの雇用形態へ移行すること、全体的な枠組みの中で、奨励という形をとりながら、段階的に「契約」へと移行させる」という点も承認され、委員会は幕を閉じた。
この条項の委員会通過に反対の立場をとったトルコ教育組合理事長イスマイル・コンジュク氏は、「全教員を「契約」方式に移行させる」というやり方を受け入れないと述べた。「これは間違いです。国民教育省の官僚と私学協会の見解に沿った形で報告書が用意されています」というコンジュク氏の言葉に対し、私学協会会長メフメト・キュチュク氏は「大げさに言うな」と言いかえした。
キュチュク氏とコンジュク氏が互いに言い合う中、教員養成局の委員長オメル・バルベイ氏とその他委員会メンバーが仲裁し、その場をおさめようとした。イスマイル・コンジュク氏は議論の後、次のように説明した。
「大臣閣下は、かつて契約教員を正教員にすると約束していていました。しかし今日、(大臣は)、教員を段階的に「契約」形式に移行させるという提案を受け入れました。我々はこれに反対です。関係者らとも話し合いを行っています。国民教育会議総会の場でこれを廃止させるよう努力します。教員の権利に関する決定をなされているにもかかわらず、ここに教員はいません。私立学校関係者や私立学校の校長、学者が、我々教員を契約教員にするという決定を下しているのです。このようなやりかたは民主主義に沿ったものだとは思えません。私にはこれらを非難する権利があり、実際、非難したのです。」
コンジュク氏は議論の後メフメト・キュチュク氏と会談したと述べ、「この件を長引かせたくはありません。我々は会って理解し合い、和解のキスまでしました。この問題を収めました。もともと誤解があったようです」と述べた。
■全生徒へ楽器を
技術および能力に関し開かれた小委員会でも、初等教育の修了までに学生全員が楽器を1つ演奏できるようにという提案がなされた。小委員会では、初等教育での絵画と音楽の授業時間を、新教育方法と技術に注意を払いながら増加させる要求がなされ、授業外の教育活動増加と「(児童)能力開発プロジェクト」を企画し、運用するよう提案した。
第18回国民教育会議は今日の午後、総会に移る予定だ。
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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:20581 )