ネヴシェヒル市トゥズキョイで暮らす人々が、世界のメディアから注目を集めている。村のいたるところで使われている建築石材に含まれる「エレオニット」という発ガン性物質が、30年間で何百人もの村人を癌にしたのだ。
人口2350人の村にある2ヶ所の墓地はもういっぱいになってしまった。トゥズキョイはネヴシェヒルで最も古くから人々が居住していた場所の1つである。そこに住む住民たちの30年に渡る癌との闘いが、アナトリア通信によって世界へ発信された。
村に医者がたった一人しかいない、この癌の町で、「近々3つめの墓地ができる」という記事には、こう書かれていた。「ネヴシェヒル市ギュルシェヒル郡トゥズキョイは、村のいたるところで使われている建築石材に含まれる「エレオニット」という物質により、過去30年間で腹膜炎と肺ガン罹患者数世界一となった。関係者はこの地区を廃村にしようと必死に働きかけている最中である。この村を土やアスファルトで覆う、あるいは住人を遠く離れた場所に移すといった選択肢が議論されているが、まだ明確な結論は出ていない」。
■2350人を一人の医者が診ている
医師、看護士、助産師が一人ずつしかいないトゥズキョイでは、2つの墓地がいっぱいになってしまったために、第3の墓地ができる予定だ。1999年には村を完全に廃村とし、その後、土地を地中に埋めるという決定が出た。しかし財政的な問題や行政上の問題により、この決定は遅々として進まない。
トルコと世界のメディアは、「ガンの村」として知られるトゥズキョイの住民たちのうち250家族が、2004年にこの地域から離れ、割り当てられた新たな居住地へと移り住んだが、一方で残された2350人がいまだこの地域で暮らしていることを報道した。
■20人の国会議員が視察
トルコ大国民議会(TBMM)癌調査委員会は、トゥズキョイの癌患者を調査するために、今日ネヴシェヒルへ向かう。この委員会はトゥズキョイと、ウルギュプ郡のカライン村、サルフドゥル村での癌問題について調査し、必要な対策を明らかにする目的で構成された。20名の国会議員からなる委員会は、さまざまな調査活動を行う予定である。
委員会メンバーらは、ネヴシェヒル県庁で行われる会議で、中皮腫癌に対する行政の対策についてブリーフィングを行う予定だ。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:20605 )