「EUはダブルスタンダードを止めよ」EU進捗レポートへ批判の声
2010年11月10日付 Zaman 紙
トルコがEU加盟に向けて最近1年間で見せたパフォーマンスを評価する進捗レポートが昨日(9日)発表された。EUが今年第13号を発表した進捗レポートに対し反発を示したトルコ―EU合同議会委員会のエレーヌ・フロートル共同議長は、欧州に対し「トルコに対するダブルスタンダードを止めよ」と話した。EU拡大委員会のステファン・フューレ委員による記者会見の数分前に書面による声明を出したフロートル議長は、ドイツ、フランス、ギリシャを名指しし、「彼らのダブルスタンダード」を批判した。フューレ委員はフロートル議長の主張には与しないと述べる一方、EUはトルコに対する約束を守る必要があると強調した。しかしトルコも自身の責任を果たす必要があると述べた。
欧州委員会のステファン・フューレEU拡大担当委員は、会見においてキプロス問題に強く言及し、トルコは港をギリシャ船、航空機に開放する必要があり、それが行われない場合は加盟交渉プロセスに否定的な影響を及ぼすことになると再度強調した。
レポートに対し滞在中のローマで反発を示したアフメト・ダヴトオール外務大臣は、EUのキプロス政策を激しく非難し、EUは南キプロスについても進捗レポートを書くべきだと述べた。ダヴトオール外務大臣は、同レポートのキプロスに関する部分では、トルコ側のさらなる努力の呼びかけだけが行われており公平ではないと感じると語気を強めた。そして、「トルコはキプロス問題について自身の役割を果たしてきたし、現在も果たし続けている。重要なのはEUがこの問題において類似の進捗レポートを南キプロスのギリシャ系指導者にも出すことだ。(EU加盟国である)彼らには進捗レポートは作られないが、しかし、EUの要求事項や要望をリストにして彼らに渡すべき時がきた。さもなければ我々はこの評価を一方的なものであると看做す」と話した。
欧州評議会は今年のレポートにおいて報道と表現の自由を特に強調した。レポートでは、エルゲネコン捜査に関する記事を執筆した新聞記者、インターネット規制、軍の取材許可制、そしてドアン・グループに対し科された追徴課税に触れられており、9月12日に承認された憲法改正がかなり肯定的な評価を受けていることが見てとれる。憲法改正は「正しい一歩」であると評価される一方で、新憲法の必要性が強く強調されている。トルコ国内での厳しい批判にも関わらずEUは今年もエルゲネコン捜査を支持する一方で、被疑者の権利、そして裁判前の拘置期間が長いことに関する懸念も表明された。レポートは、エルゲネコン捜査がトルコの民主化への好機であるとしている。
EUは、2006年4月20日に裁判官・検察官高等委員会(HSYK)により罷免されたフェルハト・サルカヤを今年も忘れることはなかった。2006年以来、毎年進捗レポートに名前が記されてきたサルカヤは今年のレポートにおいても言及されている。
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( 翻訳者:岩根匡宏 )
( 記事ID:20653 )