国会原理派会長選挙の裏側
2010年11月09日付 Jam-e Jam 紙

第8期国会の〔最大勢力である〕原理派の第3回理事会選挙は、アリー・ラーリージャーニー氏の再選という形で幕を下ろした。しかしこの選挙をめぐっては、ラーリージャーニー氏の得票数に関してさまざまな噂が飛び交うなど、興味深い「裏話」も存在する。〔…〕今回の選挙に関する噂話が示すのは、アリー・ラーリージャーニー氏をめぐって原理派内で根深い意見対立が存在することである。

 議会内の原理派会長選挙が行われた直後、アリー・ラーリージャーニー氏が全47票中44票を獲得し、また〔ラーリージャーニー氏の対立候補として立候補した〕シャハーボッディーン・サドル氏は、最終段階で会長選への立候補を取りやめたとのニュースが発表された。

 しかし、〔原理派内の分派で〕政府支持を標榜する「イスラーム革命派」に属するアリー・アスガル・ザーレイー氏をはじめ複数の人物は、今回の選挙に関して異なったストーリー伝えている。

 それによると、選挙は当初、投票用紙による投票で行われ、開票の結果、投票箱に投じられた47票中、ラーリージャーニー氏が25票、シャハーボッディーン・サドル氏が20票をそれぞれ獲得し、白票も2票あったという。

 ザーレイー氏はこの件に関して、次のように述べている。「実のところ、25票を獲得したラーリージャーニー氏が〔原理派の会長として〕選出された後、テヘラン選出のホセイン・ネジャーバト議員と、〔原理派〕中央評議会のもう一人の評議員が、同派の結束と団結のために、アリー・ラーリージャーニーが派の会長職に就くことへの確認のために、パフォーマンスとして、もう一度〔同氏への〕支持のサインを挙手によって示そうと提案したというのが、ことの真相である」。

〔…〕

 テヘラン選出の国会議員で、同じくイスラーム革命派に所属するラサーイー氏も、ラーリージャーニー氏が25票しか得票できなかったことは、同氏の人気にも陰りが生じていることの証であるとし、ラーリージャーニー国会議長に対する原理派内での支持は、危機的状況にあると強調している。

 イスラーム革命派に属するラサーイー氏のアリー・ラーリージャーニー氏に対する批判の背景には、原理派という大派閥の一分派である同派が、過去2回の会長選でも、国会議長は原理派の会長を兼任すべきではないとして、同氏以外の人物を会長に擁立しようとしてきたことが挙げられる。

穏やかな雰囲気のなかでの意見対立

 とはいえ、日曜日に行われた原理派の会長選は、同派のある議員によると、穏やかな雰囲気の中でおこなわれたとされ、責務を果たす上での同派の団結力と勢いを示すものであった。〔…〕

 ギャルミー選出のヴァリー・エスマーイーリー議員は〔…〕、以下のように強調する。「この選挙は、一つの建設的かつ強力な家族の内部で行われた競争であって、原理派内に亀裂を生じさせるようなものではまったくない。なぜなら競争は、政治活動や議会活動にとってきわめて自然なことだからだ」。

 同氏は、今回の選挙をめぐるイスラーム革命派と原理派の亀裂について、「原理派内に分裂が生じない限り、それは〔派内の自然な〕競争だと言える。小さな意見の相違は、原理派の成長とその政治的成熟を促すものだ」と述べている。

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( 翻訳者:水谷陣也 )
( 記事ID:20659 )