G20会議出席のエルドアン首相、米の経済政策を批判
2010年11月11日付 Hurriyet 紙
タイイプ・エルドアン首相は、今日(11日)韓国ソウルで始まるG20の会議で、アメリカの連邦準備銀行が金融緩和政策に対する批判を行う予定だ。金融緩和はトルコのような発展途上国にとって危険を伴うとするエルドアン首相は、「これは正当なやり方ではない。トルコはこのことを認めることはできない」と述べた。
レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、アメリカの連邦準備銀行が国債を買い、その代わりに市場に6億ドル分の紙幣を増加供給する政策を批判した。首相は、市場により多くのお金を流し経済を活性化しようというアメリカの決定が、低発展国や発展途上国に影響を及ぼすとし、「これは正当なやり方ではない。トルコはこれを認めることはできない」とのべた。アリ・ババジャン経済産業大臣も先週、連邦準備銀行の戦略が利益よりも害をもたらすと述べていた。
■ 解決は増加供給することではない
G20会議への参加のため韓国を訪れるに先立ち、ロイターの質問に返答したエルドアン首相は、会議で連邦準備銀行の新しい戦略について批判することを明らかにした。「力のある国がこのような政策を実行することは大きな危険を伴う」と述べたエルドアン首相は、次のように続けた。「国を為替の圧力から救うための解決方法は、金融緩和ではない。この状況は、低発展国や発展途上国に対しマイナスの効果を生み出す。連邦準備銀行が市場のために計画している第二の金融緩和政策が、ドルの価値を低下させると同時に、発展途上国の国債に対する関心を減少させることにつながりかねない。これは正当なやり方ではない。トルコはこのことを認めることはできない」と述べた。
■ 金の役割に焦点があてられるべき
エルドアン首相は、国際通貨基金(IMF)と世界銀行が新しい調整を行う必要があるとし、「現在のグローバル経済で行われている議論は、為替が金融政策を決めていることを示している。しかし金の役割についても焦点が当てられる必要がある。先進国が財政規律に配慮し、安定と信用を基礎とした財政政策を講じることが重要である」と述べた。
■ 税金と保険料の免除が犠牲祭のプレゼントとなる
エルドアン首相は、税金と保険料滞納の再調整に関して、遅くとも犠牲祭前日(15日)までには声明を発表すると述べた。エルドアン首相は、個人向け融資の金利を上昇させたトルコ中央銀行の金融支援機構(KKDF)に関しても次のように述べた。「KKDFの個人向け融資の金利は15%であった。これを15%から 10%へ引き下げた。もちろんここの所の事態の推移により再度10%から15%に引き上げた。実のところ、この措置は、ここ最近の財政規律や世界的な金融危機に配慮しておこなったものである。しかし条件が変わり、よい事態が生じれば、再びこの点で措置を講ずることも可能である。」
■ IMFへの借金は2012年で返済
エルドアン首相は、トルコは変化の時期に入っていること、世界での26番目の大きい国となりここ8年間で大きな功績を残したと強調し、国際通貨基金(IMF)に対する600万ドルの借金を2012年中に返済することを表明した。「トルコはここ8年間IMFから支援を受けておらず、残った借金も2012年に返済する」、また「IMFに対し8年前 2350万ドルの借財があった。現在は600万ドルである。2012年末までにはすべて返済できると思う」と述べた。
(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:池田峻也 )
( 記事ID:20664 )