在オーストリアトルコ大使へ、トルコ系移民から強力支持
2010年11月12日付 Radikal 紙


在オーストリアトルコ大使であるカドリ・エジヴェト・テズジャン氏が、オーストラリアで発行されている『Die Presse』紙に行った発言をきっかけに巻き起こった「移民統合政策の誤り」に関する議論が、トルコで大きな反響を呼んでいる一方、オーストリア在住のトルコ人らは大使への支持を表明した。

オーストリアのトルコ系市民団体組織の代表者らはテズジャン大使の発言に対し、「全面的に支持する」と表明し、「何年間にもわたって、いかなる関係責任者らもこのような大っぴらな批判ができないでいた移民統合政策の誤りを問題にしてくれ、テズジャン大使には感謝する」と述べた。

オーストリアに多くの会員を有するトルコ連盟会長のアリ・ジャン氏と執行部メンバーのバキ・ウスル氏とムラト・アク氏は、テズジャン大使の発言に100パーセント賛同すると明かし、「統合は片側だけではなく、トルコ人とオーストリア人双方の努力によって達成されるものだ」と語った。

連盟責任者は、テズジャン大使の発言をきっかけとして始まった議論から前向きな結果をえるために、共同綱領を作成し、トルコ人とオーストリア人の各市民団体と政党幹部らが一堂に会し、統合政策をオープンかつ明確に議論する必要があると述べた。

宗務庁の一組織として活動しているオーストリア・トルコイスラム連合(ATIB)の執行部メンバーであるエルダル・エルトルン氏もテズジャン大使の批判を全面的に支持すると述べ、「我々の大使エテズジャン氏は、オーストリア・トルコイスラム連合の執行部メンバーや一般会員と行った様々な会合ではさらに多くのことを語っている。我々の側に責任のある問題についても語り、統合に対し我々も貢献するように、何度も求めていた」と話した。

エルトルン氏は、自分たちはテズジャン大使が望むように頑張る準備は常にできていると述べ、「しかし、われわれ同様オーストリア人も、移民統合政策の誤りを取り除くためにこの議論に参加して、解決の道を探すべきである」と述べた。

オーストリア・アレヴィー文化協会の事務局長兼広報担当者であるカズム・バラバン氏は、「テズジャン大使はいうべきことをはっきりと述べている」とし、「EU官僚たちは、しょっちゅう、トルコに民主主義を教えようとする。しかし多くの場合こうした発言は我々を不快にさせる。なぜなら実情はどれも辛いものだからである。今回もテズジャン大使が言及した現実は、オーストリア人の気分を害するものだった。しかし移民統合についてはトルコとオーストリア双方が共に力を合わせる必要がある」と語った。

トラキヤ文化協会のアフメト・タスマル会長も、大使がこの問題について言及し、議論の口火を切ったことを、非常に喜ばしいことと受け止めていると明かし、「実際、この問題を取り上げるのは遅すぎたくらいだ。もっと何年も前にこの問題を議論すべきであったと思っている。大使が発言した場所とタイミングはとてもよかった。統合政策の誤りが議論されることを、我々は協会としてとても有益であると考えている」と語った。

首都ウィーンで活動するトルコ協会の関係者らは、テズジャン大使の発言のあと、オーストリア側の対話者らと「統合政策をより思い切って議論することができた」と語り、「アンカラからは今日に至るまで、大使への公式な支援メッセージが聞こえてこないのはまことに残念だ」と話した。

■外国人からも支持

テズジャン大使のDie Presse紙の一昨日号に掲載された発言の中で、オーストリアの移民統合政策に対する批判がなされた後、国内のトルコ人コミュニティーのメンバーに加えて、オーストリア人と同国内のその他の外国人からも多数の支持メッセージが大使館に届いたことが分かった。

大使館関係者は、トルコ人、オーストリア社会、そして同国内のその他の移民たちから大使館に寄せられたeメールや手紙での支持メッセージの仕分けを行い、それらのメッセージは移民統合政策に関する会合や公式見解の中で考慮されていくことになるとした。

■オーストリア人からの特別招待

この記事のなかで、テズジャン大使は、とても楽しみにしていたのに1年余りの在職中にオーストリア人の家庭に招待されたのは一度だけだったと不満を語った。これを読んだ首都ウィーンをはじめとしてオーストリア各地の新聞記者、政治家、実業家、一般市民らが、大使とその夫人を家へ招待してくれているという。オーストラリア人らから受けた特別招待には原則として前向きに答えたいとするテズジャン氏は、「状況が少し落ち着いた後で、招待にあずかろうと思っている」と明かした。

名前は明かさないが、オーストリアの新聞記者たち、外交官、そして政党の代表者らは、「テズジャン大使の移民統合政策に対する批判はもっともだと思っている」と明かし、「オーストリア政府は自国の世論を静めるために、この問題に公式見解を述べることを避けている」と述べた。

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( 翻訳者:猪股玲香 )
( 記事ID:20672 )