テレコミュニケーション通信庁、アク禁理由リスト発表―「アタテュルク侮辱」は8%
2010年11月19日付 Hurriyet 紙

テレコミュニケーション通信庁(TİB)のフェトヒ・シムシェキ長官は情報連絡センターに寄せられた20万件以上の通報のうち、64パーセントがわいせつ物、13パーセントが児童の性虐待、10パーセントが売春、8パーセントがアタテュルク侮辱罪といった項目に基づいて行われたと明かした。

シムシェキ長官は説明の中で、第5651号法により設立され、テレコミュニケーション通信庁(TİB)に属するインターネット管理局は、活動を正式に始めた2007年11月23日以来、法で定められたその職務において成功を収めてきたと述べた。

今日に至るまで、TİBが設けた情報連絡センターには、20万件以上の通報が寄せられた。シムシェキ長官は、そのうちの13万件が第5651号法関連、7万件が法とは無関係の苦情であったと明かし、「この通報の64パーセントはわいせつ物、13パーセントが児童の性虐待、10パーセントが売春、8パーセントがアタテュルク侮辱罪、3パーセントが賭博という項目に基づいて行われた」と話した。

またシムシェキ長官は、国民は情報連絡センターへは以下からアクセスし、TİB管轄内で不法行為を行っている疑いのあるウェブサイトを通報できると話した。
電話番号:0312-5828282
ホームページアドレス:http://www.ihbarweb.org.tr
eメールアドレス:ihbar@ihbarweb.org.tr

■アクセス禁止サイトの68パーセントがわいせつ系

シムシェキ長官は、第5651号法に基づいて、TİBが行ったインターネットサイトへのアクセス禁止の決定のうち、68パーセントがわいせつ物、26パーセントが児童への性虐待、2パーセントが賭博場およびその機会の提供に関連したものであったと話した。さらにシムシェキ長官は、アクセス禁止決定がなされる前には、違法なコンテンツについてインターネットサイト側と連絡をとっているとし、こうした“警告-削除”システムによってインターネットサイト側は完全なアクセス禁止を回避でき、同時に、違法なコンテンツへのアクセスをより有効な方法で防いでいると述べた。

シムシェキ長官は次のように続けた:
「この゛警告-削除″システムにより、通報されたインターネットサイトから7000以上のコンテンツが削除された。またこの効果的なシステムにより、アタテュルク侮辱罪に抵触する2000近いコンテンツがインターネットサイトから削除されてきた。このため、第5816号アタテュルク侮辱罪に関する法に抵触する不法行為であることを理由に、正式にサイト全体へのアクセス禁止の措置がとられる必要がなくなった。現在、正式なアクセス禁止決定は、完全に違法なコンテンツを有するサイトに対して、たとえば、児童への性虐待を引き起こす原因となるような内容や違法なコンテンツを削除することに応じないサイトに対して行われている。」

アクセス禁止措置がとられたインターネットサイトでは、違法なコンテンツの削除や、作り直しが行われ、そのことが報告された後、調査が行われていると話すシムシェキ長官は、その後でアクセス禁止は解除されると述べた。

■犯罪カタログ

シムシェキ長官は、インターネットサイトへのアクセス禁止措置に関連して、時々TİBに対して批判が行われていることにも触れつつ、「こうした批判はもちろん行われるべきものだ。最も多い批判は表現の自由が侵害されているというものだった。しかし現在、アクセスが禁止されているサイトの中で、YouTubeの他に世論で話題とされるサイトはない。これは、ここで行われている措置が、わいせつ物に関するものであれ、他のことに関することであれ、きちんとした方法や法に則って適切に行われていることを意味している」と述べた。

その上で、シムシェキ長官は、第5651号インターネット環境における情報の流布を通して行われる犯罪対策に関する法に準拠して、トルコ刑法にある、アタテュルク侮辱罪、自殺の手引き、児童への性虐待、麻薬及び覚せい剤の使用ほう助、有毒物質の入手、わいせつ物、売春、賭博場およびその機会の提供を含む、いわゆる「犯罪カタログ」に抵触すると確認されたインターネットサイトに対してはアクセスが禁止されると話した。

しばしばこの犯罪カタログに関する議論が行われていることを指摘するシムシェキ長官は、次のように語った。「犯罪カタログについての議論は、さまざまな国際会議の場や、YouTubeの閉鎖に関する論争のなかで、行われている。TİBとしては、建設的な批判には常に耳を傾け、この批判を活用している。私はこの批判を完全に否定はしていない。完全に不当だと思ってはいないし、一般社会で発せられる声を介して一つの世論が形成され、その結果、犯罪カタログが新しく作り直されることもありうると考えている。犯罪カタログに関して調査を行い、犯罪の項目を変えることも可能だろう。犯罪カタログは絶対に変えられないものではない。その必要性が生じ、トルコ大国民議会(TBMM)がそれに関する決定を下せば、内容を緩和する意図でカタログを作成しなおすことも可能だろう。私はこのように提案しているが、一方で「その犯罪はカタログに残すように」、あるいは「その犯罪はカタログから外すように」という形で私が提案をすることはない。インターネット機構はこのことについて何らかの提案や、調査を行う可能性がある。我々がぶつかっている問題はアタテュルク侮辱罪に関するものである。これをカタログから取り除くべきか、それとも残すべきか、それに関して、私が言及することはない。他の犯罪に関しても、同様に言及することはない。この問題は市民団体などに議論してもらうのがいいだろう。
2年半にわたる、YouTubeへのアクセス禁止における問題も、この犯罪項目に関連している。このことは議論可能である。もしもTBMMがそういった決定を下せば、犯罪カタログを新しく作り直すことができる。」

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( 翻訳者:猪股玲香 )
( 記事ID:20732 )