イスラエル・ブルガリア、共同軍事演習へ―トルコをパス
2010年11月26日付 Radikal 紙
ハーレッツ(Haaretz)紙は、トルコとの関係が悪化しているイスラエルが、バルカン半島との関係強化に動いていると報じている。この中で、イスラエル空軍が近くブルガリアにおいて初となる飛行訓練を行うことも明らかになった。
イスラエルの主要新聞のひとつであるハーレッツ紙は、イスラエルとバルカン諸国の接近を報じる記事において、「トルコにおける(イスラム化に向けた)急進主義に関して不安を共有していることは、バルカン諸国とイスラエルの結びつきを強め、経済的・軍事的な協力体制を作る新たな可能性を示している」と書いている。新聞は以下のように続く;
■バルカン諸国と情報を共有し、共同軍事演習の実施へ
「ここ一年のうちに、トルコとの関係が悪化しているイスラエルは、新たに友好関係を築ける同盟国を探す意図をもってバルカン半島に接近し始めている。政府関係者は、この新たな試みが、情報の共有や共同の軍事演習、ツーリストの増加などを内包しているものであると語った。」
ハーレッツ紙は、過去一年の間にイスラエルがギリシャやブルガリアとの関係を深めていること、南キプロス、ルーマニア、セルビア、モンテネグロ、マケドニア、クロアチアとの間に存在する同盟関係の強化を図っていることに言及し、「とあるイスラエルの政府高官が、『地平線の向こうに(ずっと先に)、大きな危険があることを彼らも理解したのです。このことは、一月に行われた、ベンヤミン・ネタニヤフ首相とブルガリアのボイコ・ボリソフ首相による二者会談の中でもとりあげられたものです』と語った」と報じている。
■ソフィヤはイスラエルを最も重要視している
ハーレッツ紙は、ボリソフ首相がイスラエル空軍の訓練のために、ブルガリアの軍事基地と領空を提供することで、二国間における軍事協力体制が強化されることを期待していると報じる一方で、もはや観光でトルコを訪れなくなったイスラエルのツーリストが、“大挙して”ブルガリアに来訪することへのブルガリア国民による期待の高まりについても言及した。そして、在ソフィア・イスラエル大使である、ノア・ガル-ゲンドレル氏による「ボリソフ政権は、我々イスラエルを最も重要視している」という発言も記載されている。
また同紙は、ギリシャで金融危機が発生した際、60年にも渡って親アラブの政策を執ってきたギリシャが、アラブ諸国のいずれの国からも援助や投資を受けられなかったことに失望し、それ以降イスラエルとギリシャが国防と国家戦略の協力体制の形成へ積極的な姿勢を見せているとするイスラエルの上級外交官による発言を紹介すると共に、今年ギリシャを訪れたイスラエルのツーリストが前年比200%増加となったことを報じた。
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( 翻訳者:沓澤実紗子 )
( 記事ID:20789 )