アンカラ県は、首都の通りで生活する路上生活者が冬を過ごすことのできるホテルを借りた。
アラーッディン・ユクセル知事の指示により、県社会サービス局は社会互助連帯財団、アンカラ警察と協力して、路上生活者が寒さをしのぐためのプロジェクトを用意した。
このプロジェクトではアンカラ県社会サービス局の職員が、通りや車中、アンカラ都市間バスターミナル、屋内の銀行ATM等で寝泊まりする100人ほどと言われる路上生活者に接触する。
担当者は路上生活者にプロジェクトを説明し、彼らを納得することを試みる。これに納得した路上生活者は、県が借り上げたホテルに宿泊することになる。
路上生活者のうちプロジェクトへの参加を望むものは、健康診断を受け、県が借り上げたホテルに収容される。担当者らは、路上生活者がホテルでお湯と清潔なベッド、暖かい食事を得ることになると話した。
担当者は、子どもを除いた老若男女が路上で生活していると話し、女性と男性は別々のホテルに宿泊することになると述べた。
■「空を見ずには生きられないと言う者もいる」
担当者は、路上で暮らす人々の心の平安を損なわないように、社会サービス局が運営している老人ホームや無料診療所などの施設への収容は行わなかったと述べた。これは、路上生活者の多くが閉所恐怖症であり、空を見ずには生きられないという精神状態にあるためである。
首都の路上生活者は、冬の間、アンカラ都市間バスターミナル事務所(AŞTİ)を最も好む。AŞTİの職員は、冬の間はバスターミナルで生活する者の数が300を超えるとし、「我々が相談しなかった機関は無い。しかしどうやっても、この問題の解決策を見つけることはできなかった」と述べた。
職員は、寒さのため路上生活者をターミナルから出すのに苦労しており、彼らを警備員の監視下に置いて、彼らがバス利用者に近づくのを防いできたと述べる。
ターミナルの職員によると、AŞTİに入り浸るホームレスの人々は、ターミナルに人気のなくなった夜中以降は自由に行動しているという。職員は、県知事府が用意したプロジェクトにより、次第に大きくなるこの問題が解決されるかもしれないと語った。
(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:林奈緒子 )
( 記事ID:20791 )