ナスルッラー書記長「レバノンは歴史上、きわめて敏感な瞬間に近づいている」
2010年11月29日付 Jam-e Jam 紙
ハリーリー首相「レバノン政府は抵抗運動を支持する」
レバノン・ヒズブッラーのサイイド・ハサン・ナスルッラー書記長は昨日、ベイルートにある「サイイドゥッ・シュハダー」大学の卒業式で、ラフィーク・ハリーリー元首相暗殺に対する〔特別国際〕法廷の調査方法を批判し、レバノンの今日的諸問題について説明した上で、同国の将来に抵抗運動が果たすであろう役割について大いに強調した。
同氏の演説は、レバノンのサアド・ハリーリー首相がテヘランを訪れ、同国の政府ならびに国民はヒズブッラーを支持していることを明言するなかで行われたものだ。
ヒズブッラー書記長は最新の演説の中で、「我々は敏感かつ危険な時代へと近づいている。私たちはレバノン軍とともに、自国民の保護に〔最大限の〕関心を払っている」と述べた。
同氏は、ガジャル村のレバノン領部分の完全な返還と、同地に対するレバノンの完全な主権〔の回復〕の必要性を強調した上で、「国際連合レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)はレバノン軍の代わりを務めるものではない。彼らがレバノン軍の代わりに、〔これからもずっと〕この地に駐屯することはできない」と述べた。
同氏は、国内的にも、地域的にも、抵抗運動がこれほどまでに強力だった時代はないと強調した上で、「すべての地域・国際情勢が示すように、抵抗という戦略は発展と進歩を目的としているのである」と加えた。
同氏はまた、「1996年のシャルムッ・シャイフ会議はシオニスト体制によるレバノン攻撃を隠蔽するものだった」と述べ、さらに「おそらく今回の国際法廷も、同体制による〔2006年夏の対レバノン〕戦争を隠蔽するためのものだろうが、今日の我々は力を増している」と言明した。
同氏は演説の続きで、レバノンの通信システムへのシオニスト諜報員らの浸透がもたらした帰結について、6つに分けて説明した上で、「シオニスト体制はレバノンの通信システムに潜り込んでいる。しかしながら、もう一方にはこの点〔=ハリーリー元首相暗殺〕についての国際的調査なるものがある。我が国の主権と安全保障に対するこうした危険な措置〔=国際法廷によるハリーリー暗殺に対する調査〕や〔シオニスト・スパイの〕浸透に対して、レバノン当局は一致して非難の声を上げてはならない、などという道理があろうか」と加えた。
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(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:酒井晶 )
( 記事ID:20825 )