米外交公電漏えい後、初のトルコ・アゼルバイジャン両大統領会見、発言を否定
2010年12月01日付 Radikal 紙
カザフスタンの首都アスタナで開催された欧州安全保障協力機構(AGİT)首脳会談に参加したアブドゥッラー・ギュル大統領は、ウィキリークスによる情報漏えいの激震後、初めてアゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領と顔を合わせた。
ギュル大統領は、欧州安全保障協力機構における交渉で、アリエフ大統領、イギリスのニック・クレッグ副首相、バチカン市国のタルチジオ・ベルトーネ国務長官らとの個別会談を行った。
ギュル大統領は、独立宮殿で開かれた首脳会談の開会式典に参加し、順にアゼルバイジャンのアリエフ大統領、バチカン市国ベルトーネ長官、クレッグイギリス副首相と会談した。会談は非公開で行われた。
世界に激震を走らせたウィキリークスの情報で、アリエフ大統領が「トルコをエネルギー供給のセンターにしないようにするため、ロシアとのガス合意を行なった」と語っていることが明らかになっている。また、アリエフ大統領が、エルドアン政府を「快く思っていない」との記述も載っていた。
■アリエフ大統領否認
アゼルバイジャンのアリエフ大統領はウィキリークスが発表した情報を否定し、大統領のものと言われている考えや見解が「全く真実を反映していない」と説明した。
アゼルバイジャンの大統領報道官は、アリエフ大統領とアメリカ合衆国のバーンズ副外務大臣との間で行われた前回の会談で、「決してスラングは使われなかった」とし、ウィキリークスが発表した機密文書には、アゼルバイジャンの周辺国との関係を壊し、首脳間に不信感を生み出す意図があったとのべた。
ギュル大統領も昨日(12月1日)、カザフスタンへの出発前の会見で、「トルコとアゼルバイジャンの間の友好も、同様に誰も脅かすことが出来ないものである。私たちは別々の国家のもとにある一つの国民である。外からは違うように見えるかもしれない、外からは違う認識をされるかもしれない。しかし実態はこれなのだ」と語った。
■ウィキリークスの文書で何が語られたのか?
ウィキリークスによって発表された2010年2月25日付のアゼルバイジャンに関する文書には、アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領が、アメリカ合衆国のビル・バーンズ副外務大臣と行った会談の詳細が記載されている。
文書では、アリエフ大統領がトルコとアルメニア間の友好関係樹立のプロセスやナゴルノ・カラバフ問題に関する会談に言及した際に、「俗っぽい下品な言葉」を使用したとも書かれていた。
文書には、「アリエフ大統領がバーンズ副外務大臣に、4月24日(アルメニアの虐殺記念日)がナゴルノ・カラバフ問題と共に、トルコ-アルメニア間の国交正常化過程において、『ダモクレスの剣』のように揺れ動いていると語った」ことが書かれていた。
アリエフ大統領が、ナゴルノ・カラバフ問題の前進のため、特にトルコ-アルメニアの国交正常化を4月以降に検討するよう提案をしていたことも強調された。大統領はさらに、ナゴルノ・カラバフ問題に関してはより柔軟な姿勢を示していくと語ったが、一方でアメリカがアルメニアに対し圧力を強めることを望んでいた。
■「ナブッコ計画の必要性があるのか」
文書のなかで詳細が記載されていた会議では、エネルギー問題も取り上げられていた。アリエフ大統領は、トルコが「建設的な姿勢」を見せれば、ガス移送の合意がなされる可能性もあるとのべたという。実際アリエフ大統領は、6月に言及した合意に調印している。
また文書で、「アリエフ大統領は、トルコのタネル・ユルドゥズ・エネルギー天然資源相が、少し前にアゼルバイジャン国営石油会社社長に『なぜロシアとの関係を壊すのですか。あなた方にナブッコが本当に必要なのか』と言っていたと語った」と書かれた。
■「トルコがエネルギーセンターとなることは我々は望まない」
同文書で注目を集めたもう一点は、アリエフ大統領がアメリカの関係者に、ロシアへのガス輸出合意に関する詳細を伝えていることだ。文書によれば、アリエフ大統領は、「友好国」トルコに対し、トルコが天然ガス供給センターになることは許されないことを示すためにこの(ロシアとの)合意を行っと述べたという。文書によれば、アリエフ大統領は、エルドアン政府を「快く思っていない」ことも語ったという。
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( 翻訳者:智原幸穂 )
( 記事ID:20829 )