ハイダル・パシャ駅火災、火元はAKP関連会社による補修
2010年12月02日付 Radikal 紙
ハイダル・パシャ駅で起きた火災に関する調査で、オーナーが元AKP(公正発展党)党員という会社が、屋根の改修工事をきちんと行っておらず、工事の際、熟練作業員もいなかったことが明らかになった。
歴史的建造物であるハイダル・パシャ駅の火災に関する調査で、屋根の改修を行なった会社が注目されている。改修工事を不正な方法で、熟練作業員も使わずに行なった「イフォルト」という会社のオーナーが、AKPカドゥキョイ区支部の元組織長、イフサン・カブオール氏であることが分かったのだ。現在会社のオフィスは締められているが、警察は、調査の一環として説明を求めるためカブオール氏との接触を試みている。ちなみに、カブオール氏の会社の業務内容は、清掃業だ。
駅で起きた火災の原因を見つけるため、カドゥキョイ検察当局に加えて消防局やTCDD(トルコ国営鉄道)から設立された調査委員会が調査中だ。一方警察も、屋根の絶縁材の交換を行なった2人の作業員の証言から、イフォルト建築清掃会社に関する調査を開始した。
会社のオーナーが、AKPカドゥキョイ区支部のなかでも有力なメンバーであったカブオール氏であることが判明した。カブオール氏は、2008年8月2日、ヒュセイン・カブオール氏と兄弟でイフォルト建築清掃会社を設立するかたわらで、長い間AKPカドゥキョイ区支部の組織長を務めていた。5万トルコリラ(約280万円)の資本金で設立した会社の業務内容は、İTO(イスタンブル商工会議所)登録簿によると、病院、学校、保健センター、オフィスなど、あらゆる場所の清掃業務であった。İTO登録簿にある、カブオール氏が共同で経営するイフォルトとは別の会社の名は、クリスタル・グループ清掃建設である。カブオール氏は、オルハン・カフヤ氏とともにこの会社の重要な共同出資者である。カブオール氏の2つの会社の住所は同じだ。そしてオルハン・カフヤ氏もAKPカドゥキョイ区議会の議員である。
■AKPでの活動
AKPカドゥキョイ区支部のサイトから、カブオール氏が党員として参加した多くの催しや、訪問の記録を知ることができる。そこから、カブオール氏は、2010年3月14日、カドゥキョイ区警察署を訪問したAKP党員の1人で、当時の「区組織長」だったことが明らかになった。AKPカドゥキョイ区支部のエルジュメント・ギョイ副支部長は、「確かにカブオールさんは、組織部のリーダーでしたが、結局その仕事に充分な時間を取れませんでした。このため区支部長は、その役職に他の人をつけることを望みました。カブオールさんは今も党員として登録されています。ですが我々の党とそれほど親密ではありません」と語った。
イフォルト建築清掃会社は昨日から今日にかけて、ボスタンジュにあるオフィスを開けておらず、火災に関する会社からの説明も行なわなかった。調査で名前が挙がった、もう一つの下請け会社であるオヌルサル・イゾラスヨン・ヤプ社の関係者は、「火災の原因となった改修工事とは無関係である」と説明した。
■トプバシュ市長:会社の怠慢だろう
イスタンブル広域市カーディル・トプバシュ市長は、火災に関して、屋根の絶縁材を取り付けた会社の怠慢が原因だろうと語った。トプバシュ市長は、火災発生時に、消防局の対応が遅れたとの批判には同意できないと述べ、次のように語った:「屋根の改修工事の際、作業に当たった者がいい加減にやったことが原因で火事になった。技術者に重大な怠慢があった。火災を予防する措置をとらなかったのだろう。絶縁材を取り付けた人たちは、おそらく1キロの消火器を背負って作業にあたるべきだった。」
AKPカドゥキョイ区支部のインターネットのサイトにある写真付きの活動記録では、カブオール氏が幹部として紹介されている。
■急遽行われた改修工事だった
カドゥキョイ区当局は、駅の点検・改修のため保存実施検査局(KUDEB)に申請が行われ、用意された計画が第5保存委員会で承認された後、来年、入札が行われる予定であったと話した。また火災の原因と考えられている改修工事は、豪雨の影響で建物の屋根から雨漏りが起こり、急遽行われたものであったと明らかにされた。TCDDイスタンブル管区局は、改修工事においては3社から入札を受けており、イフォルト建築清掃会社が6千トルコリラ(約33万6千円)で絶縁材取りつけ作業を落札していたと言われている。これについてTCDDのイサ・アパイドゥン副総局長は、屋根の改修工事を緊急で行う必要があったと話した。
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( 翻訳者:大久保はるか )
( 記事ID:20833 )