試験場で混乱―スカーフ着用者の公務員試験受験許可、不徹底
2010年11月30日付 Milliyet 紙
ウナル・ヤルマアン氏が大学入試センター(ÖSYM)会長を辞任後、新会長に就任したアリ・デミル氏は、一昨日(28日)に実施された中等教育修了者を対象とした公務員試験(KPSS)にて、スカーフ着用の受験者を試験場に入場させなかった責任者に指示をだすために(試験会場となった)高校に行き、文書通達による受験規則に違反する形で、受験者を一時間遅れで試験場に入場させた。試験会場責任者の教師はその職務から外された。
政府の支持を得て、大学でのスカーフ着用に道を開いた高等教育機構(YÖK)であるが、この問題(スカーフ着用)がその内部でどう受け止められているのかを示す事件が、一昨日(28日)アンカラ首都アナドル高校で起きた。教職員労働組合(Egitim-Sen)による情報では、36の教室で実施され、午前9時30分に開始される試験前に、受験者らは一人ずつ検査され、持っていた小銭、携帯電話、時計等の荷物は学校の入口に預けさせられた。
この間、スカーフ着用の大学生も「中等教育修了者」の資格で受験するため学校に来た。しかし、試験会場の職員らの間では、(スカーフ着用のこの)受験者を試験会場に入場させるかどうか意見が対立した。結論がだせなかった試験会場職員は、その後全体を統括する責任者のもとに行き、(スカーフ着用の)受験者の入場に対して採るべき対応について指示を仰いだ。全体統括責任者は、試験実施要領に「スカーフ着用の学生は受験可能である」との説明がなかったことから、ÖSYMに照会し、この問題について文書通達を求めた。しかし、ÖSYMから通達が来なかったため、(スカーフ着用の)受験者に受験はできないと伝えた。
■スカーフ着用の受験者のために規則を破る
ところが、学生からの苦情に対して、試験開始1時間後に驚きの展開がおこった。ウナル・ヤルマアン氏がÖSYM会長を辞任した後、新会長に就任し2008年に整備された「スカーフ着用の自由」に関する通知に署名したアリ・デミルÖSYM会長が、午前10時30分に学校を訪れた。事の成り行きを問題視したデミル会長は、スカーフ着用の受験者に試験受験を文書にて許可した。
デミル会長は、「アンカラ首都アナドル高校で実施された公務員試験(KPSS)準学士/中等教育修了者試験に、スカーフ着用の上、受験志望の学生が午前10時35分に試験場に入り、受験することを許可する」と書かれた書面を示した。デミル会長の文書により、受験者は1時間遅れで試験をはじめた。しかし、ÖSYMの受験規則によれば、試験には最大15分まで遅延した受験者は必要書類に記入の上、試験を受験出来るが、15分以上遅刻した者は試験を受験することが出来ない。
ÖSYM会長が高校から立ち去った後すぐに、今度はアンカラ県試験運営委員長メティン・バルチ氏が試験会場に文書通達を送ってきた。バルチ氏は、会場全体責任者が試験開始を1時間遅らせたとして、午後の試験では(その責任者が)職務から外れるよう通達した。
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( 翻訳者:石川志穂 )
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