ゼイナブ協会書記長「アーシューラーはイマーム・ホセインから英知を学ぶ日」
2010年12月09日付 Mardomsalari 紙

ゼイナブ協会〔※原理派系の女性政治組織〕の書記長は、「《ホセインの運動を記念する日》〔※第三代イマーム・ホセインが殉教したムハッラム月10日(アーシューラー)のこと〕にわれわれが努力しなければならないことは、イマーム・ホセインの政治的行動・思想から英知と洞察力を学ぶことだ」と強調した。

 マルヤム・ベフルーズィー氏はILNA〔イラン労働通信〕のインタビューで、ムハッラム月〔イスラーム太陰暦1月。今年は西暦12月8日がムハッラム月1日〕には政治的倫理に関心を払う必要があると指摘し、イスラーム革命においてイマーム・ホセインの名は永遠だと強調した上で、次のように語った。「昨年は、きわめて不快な出来事が我が国の政治に生じてしまった。昨年のすばらしい選挙を、国民にとってつまらないものにしてしまおうと企む者が、一部にいたせいだ。品行の良くない彼らは、〔アフマディーネジャードが選挙戦に勝利したという〕現実を受け入れようとしなかった。こうした行動はイマーム・ホセインの指針ともそぐわないものだ」。

 同氏はさらに、「《ホセインの運動を記念する日》にわれわれが努力しなければならないのは、イマーム・ホセインの政治的行動・思想から英知と洞察力を学ぶことだ」と続け、また「昨年起きたような出来事から身を遠ざけるためには、正しい政治的行動を行い、また最高指導者の指導を自らの行動の軸とすることが必要だ」と語った。

 原理派の政治活動家である同氏は、さらに「残念ながら、最高指導者の再三の注意にもかかわらず、〔改革派だけでなく〕一部の原理派も〔政治的〕倫理を守らず、不適切な対応、例えば某氏は原理派にふさわしいがく、某氏はふさわしくない、といった不適当な言葉を用いるなどして、政治的に品性の欠けた行為を行っている」と指摘した。



※訳註:シーア派の伝説では、第3代イマーム・ホセインは「不正義」に対して果敢に抗議し、その結果、当時のウマイヤ朝カリフ・ヤズィードによって惨殺されたとされており、そうしたことから、ホセインは「不正義に対する命を賭した抗議」の象徴として、1979年の革命を観念的に支えるのに用いられた。同様に、昨年の大統領選挙への抗議でも、「ミール・ホセイン・ムーサヴィー」と「イマーム・ホセイン」が重ねられる形で、「ホセイン」が利用された。このように、抗議の象徴である「ホセイン」は体制維持にとって危険な性格を内包しており、そのためイスラーム共和国体制成立以降、より保守的に「ホセイン」を「飼い馴らす」努力が体制側によって続けられてきた。

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( 翻訳者:米川千帆 )
( 記事ID:20939 )