新婚夫婦殺害―犯行は新婦の兄、宗教の違いを理由に
2010年12月12日付 Radikal 紙

■車に乗る時の犯行

ゼケリヤ・ヴラルさんと、ソナイ・ヴラルさんの夫妻はファーティフで、車内にいたところをけん銃により殺害され、その結婚生活を10日間で終えた。夫妻殺害の容疑者として、新婦の兄であるギョナイ・Öが浮上した。容疑者は、文化の違いを理由に一家で夫妻の結婚に反対していたと語り、「私たちの反対を押し切って結婚した。ゼケリヤは『これはもう済んだ事だ。口出しするな』と言い、妹も『お兄さんは関わらないで』と言って、私を挑発した」と供述した。ソナイ・ヴラルさんがアルメニア人であり、彼女の家族は「宗教の違い」を理由にゼケリヤ・ヴラルさんとの結婚に反対していた事が明らかになった。

ファーティフのセイトオメル地区で昨晩23時頃、車の中で、けん銃で撃たれた状態の二人が見つかった。住民が警察と救急に連絡をした。現場に到着した救急隊は遺体を29歳のゼケリヤさんとその妻で26歳のソナイ・ヴラルさんであると確認した。道路が完全に通行止めとされた後、現場に捜査チームが呼ばれた。捜査では、フロントガラスに銃弾の跡が見つかった。

新婚夫婦の頭と体に銃弾が撃ち込まれた事が分かった。警察は周辺にいた目撃者の協力を求めた。事件に関する捜査を始めた殺人捜査班は、新婚であったゼケリヤ・ヴラルさんとソナイ・ヴラルさんが宝石店を営んでいたことと、新婦の側はこの結婚を良く思っていなかったことを明らかにした。事件の夜、新婦の兄、ギョナイ・Öが夫妻と食事をともにしていたことを割りだした警察は、容疑者として新婦の兄の捜索を始めた。ギョナイ・Öが行きそうな場所が捜索された。警察はギョナイ・Öが120羽のハトを飼うほどのハト愛好家であることを割り出すと、コジャムスタファパシャ・ハト愛好協会を家宅捜索した。ここに潜んでいたギョナイ・Öは、腰に凶器を身につけた状態で逮捕された。容疑者は最初の供述で、「(彼らは)私たちの反対を押し切って結婚した。昨日は二人とこの事について話すためにカフェで会った。ゼケリヤは『これはもう済んだ事だ。口出しするな』と言い、妹は『お兄さんは関わらないで』と言って私を挑発した。だからカフェを出た後、車の中で一発ずつけん銃で撃って二人を殺した」と述べ、罪を認めた。夫妻は10日前にファーティフ結婚式場で結婚し、ボルへ一週間のハネムーンに行っていた事が分かった。

■愛し合っていた夫妻

夫妻の遺体を引き取りに法医学協会へと向かったゼケリヤ・ヴラルさんのおじ、ジェミル・ヴラルさんは次のように語った。

「新婦の側は結婚に反対していた。新婦の家族は事件の日、食事に招待していた。事件のあった地区は彼女の兄の家から通り数本の近さだった。ここで凶行に遭った。殺すことが解決ではない。宗教の違いは問題になってはいけなかった。私たちの息子がイスラム教徒であるために、相手の家族は結婚を認めなかった。私たちは事が平穏に進むようにと努めた。このような事には反対だ。この二人が友達同士なら、婚約者同士なら、まだもめる余地はある。しかし彼らは結婚したのだ。彼女は自分の家族が結婚を認めなければ自殺するつもりだと話していたらしい。互いに愛し合う二人の人間は、ゼケリヤが諦めたとしても彼女は諦めなかっただろう。彼女が諦めてもゼケリヤはは諦めなかっただろう。なぜならお互いとても愛し合っていたからだ。彼女の住んでいた所とゼケリヤが住んでいた所は500メートルも離れていなかった。」

一方ゼケリヤ・ヴラルさんのある近親は、「彼女の姉は結婚に条件を課した。結婚式は教会ですることになっており、ゼケリヤには改宗を、といっていた。最初に2人が駆け落ちした時には、彼女の家族が電話をし、『この事は血でなければ報われない』と言った。それで彼女は家に戻った。しかし、家族が娘を渡さないので、今度は2人で駆け落ちし、秘密裏に結婚式をあげた。私たちはこの結婚を知らなかった。結婚式を挙げた事がわかったので、『和解を』と言うことで会って食事をしたらしい。でも和解できなかった。この事件で分かったのは、彼らは私たちの息子(ゼケリヤ)に罠をしかけたという事だ」と語った。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:南澤沙織 )
( 記事ID:20945 )