イラン・イラク戦争時のイラク人捕虜5万3千人の安否が未だ不明
2010年12月10日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■ イラク人捕虜5万3千人の安否が未だ不明

2010年12月10日付『サバーフ・ジャディード』紙(イラク)HPイラク面

【バグダード:本紙】

イラク人権省は、イラン・イラク戦争時のイラク人捕虜5万3千人がいまだに行方不明であることを明らかにした。

 人権省のカーズィム・アル=アンズィー捕虜・行方不明者担当部長 は本紙に対し、「人権省がこの案件に責任を持っており、同省は捕虜や行方不明者、戦争犠牲者の遺体に関わる事項の解決を円滑化することの重要性を確認している」と述べた。

 また「イラン・イラク戦争時の行方不明者は5万6千人を超えている 。現在安否が確認できていないイラク側行方不明者は5万3千人で、5万6千人から5万3千人に減少した人数差にあたるのは、収容されている間に死亡した捕虜の場合や、行方不明者にはなったものの、イランで拘束されていることが明らかになり2003年以前もしくは以後に戻ってきた場合などである。これらのケースは削除され、イラン・イラク戦争時に行方不明になり現在に到る人数はおよそ5万3千人となった。これについては国際赤十字とイラン及びイラクが公式文書で表明している」と語った。

 アンズィー部長はまた、「御存知のようにイラン・イラク戦争時のイラク人捕虜の数は5万人以上に達したため、多数の収容所がある。イラン北部及び南部にあり、中部にも1ヶ所あり、イラン・ロシア国境、イラン・アフガニスタン国境及びイラン・パキスタン国境付近や、イランの軍事訓練所内など、率直に言って多くの収容所があった」と指摘した。

 さらにアンズィー氏は、「イラン・イラク戦争時の行方不明者に関して現在人権省には、戦時中の行方不明者の手紙から登録済みの行方不明者と、推定される行方不明者の安否を確認するため、赤十字国際委員会の監督の下、イラクとイランの間で設置された委員会がある」と明らかにした。

 また、「ヌーリー・アル=マーリキー首相は、ウィジュダーン・ミハイル人権相に対し、イラン側との相互理解覚書への交渉と署名に関して許可を出し、そのための法的権限を与えた。署名はイラク・イラン間の全ての問題と懸案の解決のため、赤十字国際委員会の立ち会いの下で行われる」とも語った。

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( 翻訳者:神田春奈 )
( 記事ID:20972 )