イスラエル・キプロスの地中海経済協力構想にアンカラ正式抗議
2010年12月17日付 Zaman 紙
トルコ-イスラエルの緊張関係が続く中、この状況を好機と捉えた南キプロスは、テルアビブ政府と地中海の“埋蔵金”の山分けを狙った、排他的経済水域(EEZ)協定に署名を行った。
キプロス問題が包括的解決に至っていない中での、この協定に強い反発を表明したトルコ政府は、不快感を露にした。在トルコ・イスラエル大使であるガーヴィ・レヴィを外務省に召喚し、協定への不快感を伝えた。南キプロスは以前にも、エジプトとレバノンとの間に、同様の協定を結んでいる。
レフコーシャにおいて続いていた交渉の結果、昨日(12/17)、イスラエルのウズィ・ランドウ国土開発大臣と南キプロスのマルコス・キプリウヌ外務大臣が二国間協定に調印した。この排他的経済水域協定では、海岸線を形成している国が権利として持つ経済水域が設定されており、特に自然ガスと石油といった地中資源の分配についても規定されている。トルコは、キプロス問題の包括的解決に至る前に、この協定を調印することはできないとしている。トルコは、地中海を分割するためには、まずキプロス問題が解決されなければならないと主張している。トルコは、イスラエル-レバノン、イスラエル-パレスチナ、イスラエル-シリアの間で平和協定が締結されずして、地中海の分割は難しいとしている。国際社会の中で、キプロス島の唯一の代表者となっている南キプロス政府も、地中海を形成する国々との間で二国間協定を結んでいる。南キプロスは、一方的に“排他的経済水域”の中に石油等の項目も盛り込んでおり、トルコはこれに対して強い反発を示している。アンカラ政府は、キプロスに戦艦を派遣すると共に、南キプロス政府に対し、この件に関して争うこともやぶさかではないとのメッセージを送った。イスラエルは、トルコとの関係悪化を恐れ、このような協定を他国との間で今まで結んでこなかった。外務省のフェリドゥン・スィニルリオール事務次官は、前日(12/16)に、外務省へ召喚した在トルコ・イスラエル大使に、トルコ側の意向を伝えた。政府関係者は、トルコはこれまでもキプロスに戦艦を派遣していることに言及し、絶対に事態の「既成事実化」は容認しないと語った。
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( 翻訳者:沓澤実紗子 )
( 記事ID:20998 )