米国下院のナンシー・ペロシ議長は、1915年の事件を、「虐殺」として認知することを求める242号アルメニア法案の審議を、昨日(22日)も上院の議題とすることができなかった。
米下院は、クリスマス休暇に先立ち、最後の会議を開催し、9.11に関する法案を審議した。ここにいたるまで、在米アルメニア・ディアスポラから強い圧力を受けていたナンシー・ペロシ議長は、アルメニア「虐殺」非難の法案を本会議にあげることなく、会期を終了する道を選択した。議会の任期終了にともない、法案は棚上げとなった。
新議会の任期は1月3日にはじまる。このため法案を本会議で審議するには、アルメニア側は、委員会の審議から始める必要がある。ペロシ議長は、終日親アルメニア派議員から圧力をうけていたが、オバマ合衆国大統領に対するトルコ側の工作を受けて態度を後退させ、法案を議題としない方向へ態度を変えざるをえかなった。
■トルコ政府、強い圧力
エルドアン首相につづき、ギュル大統領も、オバマ大統領にメッセージをおくり、(トルコが)法案を下院で審議するという米下院の試みを、トルコ・アメリカ関係の将来にとって憂慮すべきものとして注視していると伝えた。ギュル大統領は、両国関係の重要性をもっともよく認識しているオバマ大統領に対し、「この件が、トルコ・アメリカ関係を人質にとるような事態にならないように対処されることを求める」と伝えた。
ダヴトオール外相も、すでにクリントン国務長官に電話をかけ、法案の阻止を求めていた。こうした努力をうけ議会工作が続けられる一方、アメリカ外務省も野党に対し法案に関する説明を行い、この件を慎重に扱うよう議会と折衝していることを明らかにしていた。アンカラの努力はようやく結実し、アルメニア法案が議題にあげられることは阻止された。
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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:21035 )