エネルギー価格改定の全貌が明かに
2010年12月20日付 Jam-e Jam 紙

【経済部:セイエド・アリー・ドゥースティー=ムーサヴィー】補助金の廃止に沿う形で、価格の改定が始まっている。これに伴い、政府は家庭、産業、運輸等の様々な分野における一部エネルギー製品の改定後の価格の詳細を明らかにした。

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 補助金廃止法の本文には、エネルギー関連製品の価格をペルシア湾FOB価格に近づける際、5年間をかけて段階的に行わなければならないと記述されている。このため、問題は発表された新価格の算出において、この重要な点がきちんと考慮されているかどうか、にある。

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・ガソリン価格

 今回の改定により、レギュラー・ガソリン1リットルあたりの価格は、〔補助金によって低く抑えられ、ガソリンカードによって一ヶ月の消費量が割り当てられている〕「補助金ガソリン」を消費する場合、以前の100トマーン〔約8円:西暦2010年12月27日現在〕から400トマーン〔約32円〕に上がった。他方、〔補助金が添加量が少ないために高価だが、自由に消費することのできる〕「自由ガソリン」については、1リットルあたり700トマーン〔約56円〕に達している。

 ハイオクガソリン(高オクタン価ガソリン)もまた、「補助金ガソリン」の消費については、以前の150トマーン〔約12円〕から500トマーン〔約40円〕になり、「自由ガソリン」の消費については、800トマーン〔約64円〕となっている。

・家庭用ガス料金

 家庭用ガス1立方メートル当たりの価格は13トマーン〔約1円〕から70トマーン〔約6円〕に上がった。このエネルギー製品の価格は、以前の5.3倍に上昇した計算だ。

・軽油価格

 運輸業向けの「補助金軽油」の消費に関しては、軽油1リットル当たりの価格は16.5トマーン〔約1.4円〕から150トマーン(約12円)に上がった。しかし、「自由軽油」の価格について言えば、軽油1リットルあたりの価格は〔補助金軽油との比較で〕333.5トマーン増の350トマーン〔約28円〕となった。

 他方、昨日の最新のペルシア湾FOB価格の相場では、軽油1リットルあたりの価格は658トマーン〔約52.6円〕となっており、この価格と350トマーンに設定された「自由軽油」のそれとを比較すれば、「自由軽油」の価格は国際相場のおよそ半額であることが分かるだろう。つまり「自由軽油」の価格は、法律によって政府が引き上げることを許可された価格水準にある、ということだ。このように、政府は「自由軽油」の価格に対して、約45%の補助金を今も支払っているのだ。

・灯油価格

 政府は、家庭消費用の灯油1リットルあたりの新価格を、100トマーン〔約8円〕とすることを発表した。これは以前の16.5トマーン〔約2円〕と比べると、83.5トマーン上昇したことになる。その一方で、最新のペルシア湾FOB価格によると、灯油1リットルあたりの国際価格は487トマーン〔約39円〕である。

・重油価格

 政府は発電所および工業用に消費される重油1リットルあたりの新価格を、200トマーン〔約16円〕に改定した。これは以前の9.8トマーン〔約78銭〕に比べて190.2トマーンの値上がりだ。最新のペルシア湾FOB価格によると、重油は1リットルあたり661トマーン〔約53円〕で、190.2トマーンの値上げを考慮しても、政府による価格改定の動きは理に適っているといわねばならないだろう。

・水道料金

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 イラン学生通信(ISNA)が第一副大統領の通達を引用して報じたように、水道料金は地域や消費する組織によって異なる。都市に居住する家庭向けの水1立方メートルあたりの平均価格は250トマーン〔約20円〕と発表されており、以前の価格の3倍になった計算だ。

 一部の情報筋は、国内の水1立方メートルあたりの「生産コスト」は540トマーン〔約43円〕と算出しており、この数字を考慮しつつ、また今後予想される渇水にも目を配るならば、〔今回改定された水道料金は〕理に適ったものであり、また節水にも効果があるだろう。

 とはいえ、エネルギー省はまだ水道分野の価格を正式には発表しておらず、複数の通信社はこれに関して各社バラバラな数字を報じている。

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・電力料金

 「経済変革計画」特別調査委員会報道官のモハンマドレザー・ファルズィーン氏は、ファールス通信の取材に対し、家庭用電力の1kWh当たりの平均価格は45トマーン〔約4円〕になるだろうと発表した。この価格は1kWh当たり16トマーン〔約1円〕だった以前の価格と比べて、平均29トマーン値上がりしたことを意味している。

 他方で、政府は家庭用電力1kWh当たりの「生産コスト」を80トマーン〔約6円〕と算出しており、もしこの数字が正しいならば、政府は新たに設定した価格において電力料金を29トマーン値上げしたことで、〔電力料金の消費者負担分の増加幅は〕家庭用電力の平均生産コストの35%近くになったと言える。

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・小麦粉・小麦価格

 経済変革計画の特別調査委員会報道官よれば、補助金廃止では小麦粉および小麦の価格も上昇し、小麦の価格が250トマーン〔約20円〕に、小麦粉の価格は製粉コストを踏まえて、最大で300トマーン〔約24円〕に値上がりしたとのことだ。

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( 翻訳者:小野大器 )
( 記事ID:21070 )