「イラン」紙発行責任者への有罪判決に対し、反発の声
2011年01月03日付 Jam-e Jam 紙
「イラン」紙発行責任者に対して有罪判決が下されたことに対し、一部の文化当局者・メディア関係者からは抗議の声が上がっている。なかでも、〔出版を管轄する〕文化イスラーム指導相は、イラン紙発行責任者に対して下された判決に関して司法機関が見直しを行うことに、期待を表明した。
イラン国営放送報道センターが伝えたところによると、記者会見でカーヴェ・エシュテハールディー発行責任者に下された判決への意見を求められたセイエド・モハンマド・ホセイニー文化イスラーム指導相は、「イラン紙は文化イスラーム指導省直属の、政府オフィシャル紙だ」と前置きし、〔2009年大統領選挙後の〕暴動の首謀者たちへの裁判で、検察をはじめとする司法関係者が〔毅然たる〕立場を示したことに謝意を表した上で、次のように付け加えた。
「〔政治への〕人民の参加と〔敵の陰謀に対する〕鋭敏な感覚が強く求められているこの時代にあって、プレスの使命を果たし、革命の理念に向かって邁進している人物に有罪判決を下すことには、釈然としないものがある」。
〔※訳註:イラン紙などの大統領支持派のメディアは、アフマディーネジャード大統領の政敵であるラフサンジャーニーの息子メフディー・ハーシェミーの公金横領疑惑などを紙面・ウェブ上で大々的に追及し、2009年大統領選後の暴動のウラにはラフサンジャーニー一派が暗躍していたと喧伝していた〕
ホセイニー氏は、「もちろん、これは法への不服従を意味するものではない。司法機関が判決の見直しを行うことに期待を表明したまでだ」と付け加えた。
ホセイニー氏はまた、イラン紙発行責任者をめぐる問題について詳細を説明した上で、自らの見解を次のように続けた。「イラン紙は、メフディー・ハーシェミー氏のような人物を裁判にかけるべしとの220の学生組織の要望を紙面に掲載したが、こうした内容は〔イラン紙が創作・誇張したニュースなどではなく〕各通信社で報道されたものを引用したものにすぎない」。
同氏はさらに、「あの人物〔=メフディー・ハーシェミー〕は訴えを起こし、その結果エシュテハールディーには、禁錮6ヶ月と鞭打ち刑が言い渡されてしまった。しかし実際のところ、どのような罪が犯されたというのか」と疑問を呈した。
ホセイニー氏はその上で、「検察、ならびに司法権長官は、敬虔で革命的な勢力が納得できるような形で、また判事がこのような〔不当〕判決を〔今後二度と〕下さないよう、問題の所在をはっきりさせるべきだ」と語った。
ファザーエリー氏、プレス陪審員を辞任
他方、「プレス陪審団」の陪審員を務めるメフディー・ファザーエリー氏は、判事が同陪審団の判断を無視したことを理由に、同陪審団の立場が明確になるまで、陪審員を退く意向を示した。
〔イラン国営放送関連の放送制作会社である〕「ソルーシュ」代表取締役のファザーエリー氏は、イラン紙発行責任者に対する裁判所の判決について、「陪審団が一致して被告人無罪を主張したにもかかわらず、判事が被告人有罪を判断し、そればかりか鞭打ち刑や禁錮刑といった重罰を科すようなことが起きたのは、これで2度目だ」と述べ、「前回も、〔政府系の通信社である〕イラン国営通信(IRNA)の代表に対して同じようなことが起きた」と不満を表明した。
〔後略〕
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:21118 )