輸入農産物に危険性?
2010年12月28日付 Al-Nahar 紙

■ハウィーク氏「農業省は輸入農産物への怠慢な検査に対し責任がある」
■市場に出回るヨルダン産トマトにカビ

2010年12月28日付『アル=ナハール』紙(レバノン)HP経済・ビジネス面

【レバノン:ハイサム・アル=アジュム】

またもや、農産物が化学物質やその他の汚染に晒されていないかという不安に向き合わなければならないのだろうか?国民は、国産の農産物が安全で残留農薬がなく、農業省の「検疫所」できちんと検査を受けているものと安心していたが、傷やカビ、腐臭が目立つ輸入トマトが市場に現れ始めた。主にヨルダン産のこれらのトマトは、1㎏あたり1750リラ(日本円で約96円)で販売されている。

 本紙は、この件に関して問い合わせるためにフサイン・アル=ハーッジュ・ハサン農業相及び彼の顧問のサラーフ・アル=ハーッジュ・ハサン氏に連絡を試みたが、両氏の携帯電話は不通だった。そこでレバノン消費者協会に問い合わせたところ、食の安全部門の責任者であるニダー・ニウマ氏が対応し、「トマトをはじめ国産の農産物はまったく汚染されていない。一方で農業省は、国境を通って輸入される農作物の条件を定め、輸入製品の安全性や化学農薬の残留の有無及び『食べるのに適しているか』を確認するために検査を行うことにのみ責任を負っている」と説明した。また、ヨルダン産輸入トマトについては「知らない」と言及を避けた。

農民組合のハウィーク会長の言い分

一方、農民組合のアントワン・アル=ハウィーク会長は本紙に対し、「ヨルダン産トマトに限っていえば、化学農薬に汚染されており、どうやら法律の規定や農業省が定める安全性が遵守されていないように思われる。このことは、トマトの薄い色合いや果実上に現れている農薬の痕跡から見た目にも明らかである。だが残念なことに、国産トマトよりも安値で市場にあふれている」と述べた。

 また同会長は、「我々はハサン農業相に対して再三に亘り、食べるのに向かない不適切な農産物を取り締まるために農業省が動くよう要請してきたが、今まで一度も要求が通ったことがない。その証拠に、これらのトマトは特定の保冷車に積み込まれ、農業省の検査を受けることなく国内に持ち込まれている」としながら、「いかにして不適切な農産物が検査を受けずに持ち込まれているのか?また、このような農産物が国から国へと不正に運び込まれ、最も単純な検査さえ免れてレバノンの市場へ送り出されているという責任を誰が負うのか?」と問いかける。そして、農業省に対して早急に行動を起こすよう求めつつ、国民に対して「健康に害を及ぼす」との理由でヨルダン産トマトの購入を控えるよう呼びかけた。

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( 翻訳者:加瀬冴子 )
( 記事ID:21121 )