2010年のシリア経済は相対的に改善
2011年01月01日付 al-Hayat 紙

■IMF、シリアのGDPの5%上昇を予想、銀行の資産総額は440億ドルに

2011年01月01日付『アル=ハヤート』紙(イギリス)HP経済面

【ダマスカス:ヌールッディーン・アル=アアサル(本紙)】

国際通貨基金(IMF)のデータに基づく2010年度のシリア経済実績に関するレポートで、同国の経済情勢が相対的に改善したことが明らかになった。国内総生産(GDP)は5%の成長が見込まれ、外交関係の改善がビジネス環境を後押ししたことが確認された。

アウダ銀行[レバノンの大手銀行]がまとめたこのレポートは、2010年の後半9ヶ月間に原油の平均生産が3.1%増加して1日当たり387バレルに達したのを受け、シリアの石油部門を実質0.2%成長と評価した。同時期の天然ガス生産は1日当たり2750万立方メートル、成長率としては約29%に達しており、シリアの石油製品輸入額は原油の輸出額とほぼ並んだ。

このレポートはまた、原油収支(外国石油企業の利益を差し引いた商業原油収支)を12億ドルの赤字と予測した。原油輸入はシリアの現在の輸入総額の20~25%を占めている。さらに、シリアの石油生産は今後5年間で約7%減少すると見込んだ。一方、不動産市場は商業地および住宅地の需要のために好調で、今後数年間に実現が予想される不動産プロジェクトの額は20億ドル以上と推計された。

商業・サービス部門は観光関連部門の活況に伴って成長を続けている。シリアへの旅行客は2010年の前半9ヶ月で660万人に達し、年にして46%増加、旅行客が同国に落とした金額は約3030億シリアポンド(65億ドル相当)であった。旅行客増加の理由としては、西側諸国とシリアの関係改善と、イラン・トルコ両国民への入国ビザ免除が挙げられている。また世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)の予測を元に、観光・旅行産業がシリアのGDPの5.2%を占めると予測されている。

さらにアウダ銀行のレポートは、携帯電話回線の加入者数が42%増加して990万人に達し、固定電話回線の加入者は6.6%の増加で387万に達したと指摘した。またシリアの輸出部門が相対的に復興したこともわかった。農業生産に被害を与えた最近の小規模な干ばつの影響がやや続いているシリアの輸出を、基本物資の価格上昇が後押ししたためだ。一方で、2010年前半の10ヶ月間に原油の平均価格は31.6%上昇した。

インフレ率が10%未満だったこと、通貨量の年間増加率の緩やかさ、外貨保有高のわずかな変化が2010年の特徴だったことも確かめられた。銀行部門は満足のいく業績を上げ、銀行の資産総額は5.3%増加して、7月末に440億ドルに達した。銀行資産の3分の2を占める預金は前年の264億ドルから7月末には284億ドルに増え、国内通貨ベースで10.1%増となった。銀行から民間部門への融資も前年の109億ドルから7月末には120億ドルにまで増加した。
(中略)

失業率については、昨年、11%に上昇したと見られる。シリア投資庁の発表した投資プロジェクトは305件で総額12億3000万ドル、そのうち37件は外資によるもので、産業分野が最も多く、運輸部門と農業部門がそれに続く。労働力の30%が農業分野に従事しており、農産物が輸出品総計の22~61%を占める。シリア政府は農業部門の支援のため15億ドルを拠出し、2010年の小麦生産量はおよそ330万トン、綿花生産量は事前の予想の25%以下である綿種子66万トン、ビーツの生産量は約114万トンが見込まれている。

またこのレポートによれば、4つの産業都市への投資額は年間で69%増え、去年6月に4417億シリアポンドに達した。それらの産業都市で稼動中の工場は860ヶ所、建設中の工場は3466ヶ所に達している。さらにアラブ投資・輸出保証機構の推計によると、直接投資の額は29%上昇して19億ドルに達したという。

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( 翻訳者:平川大地 )
( 記事ID:21126 )