パパンドレウ首相のエルズルム訪問、ギリシャ野党批判―トルコと秘密取引?
2011年01月07日付 Zaman 紙

ギリシャ政府のヨルゴス・ペタロティス報道官は、「ギリシャのヨルゴ・パパンドレウ首相はエルズルムで行われた会議で、ギリシャとトルコ間の協力のための条件を明らかにした」と述べた。

エルズルムを訪問したという理由で、ギリシャの野党はパパンドレウ首相を「トルコと秘密取引を行った」と非難した。ペタロティス報道官は、この批判に答える会見で、「パパンドレウ首相は、トルコ大使らとの会議の中で行われた話し合いで、たいへん堂々とし、決断力を見せ付けた」と話した。

ペタロティス報道官は次のように述べた。

「ここ数年間では恐らく、ギリシャの首相が、こんなに激しく、一定数の聴衆の前で、国益に関わる考えを非常に堂々と、明確・明瞭に見せ付けた(ことはない)。首相は、ギリシャとトルコの協力に向けての明白な条件を提示した。侵害行為や諜報行為が、良好な隣国関係にそぐわないこと、トルコはEUの観点から承認できない行動をとっていると強調した。キプロス問題に対しては、国際法理念を尊重する形で公正かつ永続的な解決策を求めた。ギリシャは今一度全ギリシャ社会主義運動党(PASOK)内閣により主義・主張を明確にし、そして国際的な場での存在感を証明した。」

この一方で、ギリシャ首相のエルズルム訪問は野党の厳しい批判の原因となった。

パパンドレウ首相がトルコと「秘密取引を行なった」と主張する野党は、「政府は国民感情への配慮を欠いた不透明な外交を行なった」と語った。

最大野党の新民主主義党(YDP)ディミトリス・アヴラモプロス副党首は、会見を行い、「パパンドレウ首相は、エルズルムでの会談に、何も外交的な準備をせず、明白な協議事項を練ることもなく引きずり込まれた」と述べた。そして「首相がトルコ人外交官の会議に出席し、トルコの首相と密談したことは、現時点で難しい段階にある、トルコ・ギリシャ関係に不安と問題を生み出した」と話した。

左派連合のスィナズピズモス氏は会見で、「パパンドレウ首相はトルコと秘密外交を行なった」と主張し、「パパンドレウ首相とエルドアン首相の会談が、もし両国によってエーゲ海、キプロス、メリチ川における問題を終わらせ、両国の国防とは無関係だが、NATOとユーロアトランティックの(軍事地勢上の)利害によってむりやり押し付けられた、国民に過剰な負担を強いる軍備の放棄を発表するものであったなら、これは歴史的な会談であった」という見解を述べた。

民主主義同盟党(DİSY)のドラ・バコヤンニ党首は、「パパンドレウ首相のエルズルム訪問は秘密外交をにおわせている」と述べた会見で、「こうした状況が二国間の全ての友好的な歩み寄りを妨げている」と言った。

バコヤンニ党首は、「トルコとの関係を改善するためにとられた全ての努力は、だいたいにおいて好意的に受け止められるが、トルコの態度は、ギリシャ正教会総主教に不動産を返還した他に変化はない」と主張した。

ギリシャ共産党(KKE)のアレカ・パパリガ書記長も、「政府は外交問題で国家主権をないがしろにし」、「トルコとギリシャがエーゲ海における互恵関係について、合意に達した」と主張した。

極右政党の国民正統派運動党(LAOS)のヨルゴス・カラカフェリス党首は、「外交で事の推移に配慮せず」、「ギリシャはエルズルムにカラギョズ(注:トルコの影絵)の配役として行って来たのだ」と語った。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:猪股玲香 )
( 記事ID:21137 )