陸軍教育用ヘリコプター墜落、パイロット5名死亡
2011年01月10日付 Hurriyet 紙

陸軍航空学校本部所属の訓練飛行用ヘリコプター墜落の結果、5人のパイロットが死亡した。事故の原因はまだ明らかにはなっていないが、内務大臣は霧が原因で事故につながった可能性があると話した。以前にも、1976年にすでに生産が終了しているUH-1型のヘリコプターが墜落し、8人の兵士が犠牲となる事故が起きていた。

昨晩、アンカラのエティメスグト軍事飛行場から、2機の訓練用ヘリコプターが飛行訓練のため離陸した。スィンジャン郡のテメッリとポラトル郡のドドゥルガ村カパルテペ付近の上空で飛行訓練を行っていた2機のヘリのうち、片方のヘリの通信が切れた。5名の陸軍中尉パイロットを乗せたヘリの無線から、最後に「雲の中に入った」という応答が届いた。その後、このヘリからの通信が途絶えた。このため、陸軍特殊部隊は地上から、トルコ軍保有の夜間飛行の可能なヘリコプター2機は空からの捜索を始めた。その結果、ヘリコプターの残骸はトゥルンタシュ村の郊外で発見された。5人のパイロットは、墜落により全員が死亡したことが伝えられた。ヘリコプター墜落の原因については現在調査中である。

■UH-1型の生産は1976年に終了

トルコ軍で教育に用いられているUH-1型機は、アメリカ軍によりベトナム戦争の際使われていたものである。アメリカは2004年にこの型のヘリコプターの使用をやめている。UH-1型の生産は35年前の1976年にすでに終了している。同じ型のヘリコプターは2006年にエルズィジャンに墜落した際にも、5名の兵士の犠牲者を出している。このUH-1H型のヘリコプターのうち、トルコ軍には27台が配備されている。

■参謀指令本部の発表

参謀指令本部が昨夜23時35分に公式ホームページで行った説明は次のようである。

「陸軍航空学校所属の、夜間飛行訓練のため飛び立ったUH-1型のヘリコプターが、アンカラのトゥルンタシュ村郊外に墜落し、その結果、陸軍中尉パイロット5名が亡くなった。原因は未だ不明であり、この事故に関する調査は現在も続けられている。」

■犠牲となったパイロットたち

アンカラのヘリコプター墜落事故の犠牲者は、以下である:
陸軍パイロット ケマル・タシチュ中尉(既婚、ギュムシュハネ出身)
陸軍パイロット シュクリュ・プルリュ中尉(独身、スィヴァス出身)
陸軍パイロット タネル・エルドアン中尉(既婚、トカト出身)
陸軍パイロット フィクリ・ディルシズ中尉(独身、イチェル出身)
陸軍パイロット エルハン・ギュル中尉(既婚、チョルム出身)

ギュル中尉の遺体は今日コジャテペ・モスクでの午後の礼拝(イキンディ)のあと、ジェベジ兵士墓地に埋葬された。

タシュチュ中尉の遺体は明日アタキョイ第5・モスクで行われる正午の礼拝のあとエディルネカプ兵士墓地で、プルリュ中尉の遺体は正午の礼拝のあとスィヴァスで、エルドアン中尉の遺体は正午の礼拝のあとトカト・エルバアで、ディルシズ中尉の遺体はムーダト・モスクで行われる正午の礼拝のあと、メルスィン兵士墓地で、それぞれ埋葬される。

■陸軍大将と訓練・教育司令部長、事故現場へ

トルコ陸軍司令官のエルダル・ジェイランオール大将と、陸軍訓練・教育指令部のサルドゥライ・ベルク司令官もまた、事故現場を訪れた。ジェイランオール司令官とベルク司令官は、事故現場の調査に立会い、関係者から話を聞いた。現場で警備に当たる兵士らは、報道関係者や一般住民を事故現場から遠ざけている。

■事故当時、霧が発生していた

この地域にある村落に暮らす住民は、19時ごろ、郡警察から村長に電話があり、このあたりに一機のヘリコプターが墜落したこと、その捜索に村の協力を求めたことを話した。また住民は、イマームたちがモスクから、バッルクユムジュとヒサルルキョイの間の辺りにヘリコプターが墜落したという放送を流したと話した。住民らは、事故当時付近で霧が発生していたと述べた。

■間違った場所で捜索が行われていた

捜索に協力した数名の住民は、自分たちに割り振られた捜索場所は間違っている判断し、それ以外の場所を探したと話した。住民の一人は「携帯がつながれば、電波で場所もすぐに特定できます。でもここで犠牲になった兵士たちの携帯電話にかけてみましたが応答はなかった。残念ながら電波から、行方不明のヘリコプターの場所を見つけることはできませんでした」と話した。

目撃者は、ヘリコプターの墜落でバラバラになった犠牲者を見て心が締め付けられたと話した。

■残骸は残された

ヘリコプター墜落の事故現場では、朝到着した軍と検事による調査と、事故処理班による事故機の回収が一日を通して行われた。

調査のあと、ヘリコプターの破片は兵士らによって回収され、交通規制が敷かれている事故現場に派遣されたトラクターのトレーラーに積まれた。ヘリコプターの胴体部分はクレーンでトラックに載せられた。破片は、調査のために陸軍学校に送られたと伝えられた。事故現場では郡による残骸回収作業が7時間にわたって続けられた。

■大統領からもお悔やみの言葉

アブドゥッラー・ギュル大統領は、イエメンのトルコ戦死者記念碑完成記念式典の場で、昨晩のアンカラのヘリコプター事故で犠牲となった兵士の近親者たちに向けて哀悼の言葉を述べた。

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( 翻訳者:池永大駿 )
( 記事ID:21147 )