「キプロス問題でギリシャ側に落ち度なし」メルケル独首相の神経逆なで発言
2011年01月11日付 Milliyet 紙
ギリシャ系キプロス地域(キプロス共和国)を訪問したメルケル首相は、ギリシャ系キプロスのディミトリス・フリストフィアス大統領と会談した。メルケル首相は、会見での発言で、キプロス問題が解決しない原因は、トルコとトルコ側キプロスにあるとした。そして、「南キプロスは、解決のためにできるだけのことをした。しかし、トルコ側はそれに答えなかった」と述べた。
アンゲラ・メルケル独首相は、トルコのEU加盟プロセスの継続とキプロス問題の解決を望んでいると述べた。
ギリシャ系キプロス地域(キプロス共和国)に滞在中のメルケル首相は、ギリシャ系キプロスのディミトリス・フリストフィアス大統領との会談後、同氏との共同記者会見に臨んだ。メルケル首相は、ドイツとしてキプロス問題の解決と南北分断の解消を支援したいと述べ、ドイツも(かつて)分断国家であり、さらに南キプロス(キプロス共和国)とドイツは様々な分野において緊密な関係や強力な経済関係にあると説明し、ギリシャ側の取り組みを称賛すると述べた。
メルケル首相は、ドイツは「トルコのEU加盟プロセスの継続とキプロス問題の解決を望んでいる」と述べた。メルケル首相は、キプロス問題は絶対に解決されるべきだと述べ、キプロス問題が解決されないままでは、絶えず問題が発生すると語った。
メルケル首相は、「あなた方ギリシャ側キプロスは、名誉ある歩み寄りを打ち出しているにもかかわらず、トルコ側はあなた方の歩み寄りに歩調をあわせていないと我々は考えてます」と述べ、フリストフィアス大統領がキプロス問題に関し、(合意に向け)歩み寄る姿勢を見せているとした。そして、フリストフィアス大統領を「勇気と前向きさを示し、またイニシアチブを世に示しており、これを称賛する」と讃えた。
メルケル首相は、ドイツとしてキプロス問題解決への取り組みを支援すると述べ、この件についてトルコの関係者と協議するつもりだと語った。
ギリシャ系キプロスのディミトリス・フリストフィアス大統領もメルケル首相に対し、同氏のキプロス訪問と友好に感謝し、メルケル首相の訪問を「歴史的転換点」と評した。フリストフィアス大統領は、「なぜなら、初めてドイツの首相がキプロスを訪問したからだ」と述べた。
フリストフィアス大統領は次のように続けた。「私はキプロスとドイツの友好に賭けます。『占領と植民』から我々が解放されるまで、また(ギリシャ系・トルコ系)両指導者が合意し、国連決議においても定められたように、二地域・二共同体の連邦という枠組みで平和裏に再統一が実現するまで、ドイツの支援が、この原則への支持となることを確信しています。メルケル首相は、連邦がどういう意味かについて我々よりもよく理解していらっしゃる、なぜなら理想的な連邦国家で暮らしているからだ。我々は、ひとつの主権、国際的なひとつの代表、ひとつの国籍を有する、統一されて協力のできる、そのような連邦を望んでいる。」
フリストフィアス大統領はトルコのEU加盟プロセスにも言及し、「我々はトルコを人質にしたいとは思わない、しかしEU加盟国である国(=キプロス共和国)を承認せず、トルコも署名しているアンカラ議定書に依拠する義務をかたくなに拒絶し続けることはできない」と述べた。
フリストフィアス大統領は、「メルケル首相に対して、キプロス問題の速やかな解決にむけ我々が熱心に取り組むことを確約したが、この解決は、『キプロス共和国』の主権、領土の統合を尊重し、当然キプロスに暮らす全ての人たち、つまりトルコ系キプロス人、ギリシャ系キプロス人、さらにこのコスモポリテンな国に暮らすアルメニア人、マロン教徒、イタリア系市民といった集団の人権や基本的自由を尊重するという条件付きである」と述べた。
■メルケル首相に対するエルドアン首相の返答
エルドアン首相は、メルケル独首相の上記の発言の後、「メルケル首相は、自分が言ったことを忘れてしまったに違いない。『南キプロスをEUに入れたことは誤りだった』という発言は彼女のものだ。あなたが首相に就任する以前のことを調べなおしてみてほしい。そうすれば、なにがどういうことになっているのか、わかるはずだ」と語った。
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( 翻訳者:三上真人 )
( 記事ID:21157 )