ディヤルバクル騒然―KCK/TM裁判支援集会後、暴動発生
2011年01月13日付 Milliyet 紙
ディヤルバクルで、クルド労働者党(PKK)の都市部における秘密組織であるクルディスタン社会連合・トルコ議会(KCK/TM)裁判の容疑者たちを支持するため、平和民主党(BDP)と民主社会会議(DTK)により行われたミーティングと行進の後に、事件は起きた。裁判所の前に集まったグループは警備にあたっていた警察に向かって、石や火炎瓶、花火を投げつけた。審理が行われていた裁判所の建物にも石が投げられ、それを抑えようとする警察との間で争いが起き、町は戦場と化した。
ディヤルバクルでクルディスタン社会連合・トルコ議会(KCK/TM)の本裁判が行われている間、平和民主党(BDP)と民主社会会議(DTK)は、裁判にかけられている容疑者たちを支援するため、イスタスィヨン広場でミーティングと行進を行った。今日13日の午後1時頃はじまったミーティングには、BDP党首セラハッティン・デミルタシュや副党首ギュルタン・クシャナク、議員のスッル・サクク、ベンギ・ユルドゥズ、ペルヴィン・ブルダン、ハスィプ・カプラン、オスマン・オズチェリキ、ハミト・ゲイラニ・シェラフェッティン・ハリス、サバハト・トゥンジェル、ディヤルバクル広域市市長オスマン・バイデミル、DTK代表アフメト・チュルク、副代表のアイセル・トゥールクや、周辺の県や郡から集まった約4万人の人々が参加した。
ミーティングでは、クルド語で「自治制を」、「クルド語のない生活に反対」、「私たちの言葉は誇りである」、「民主的自治制に万歳」、「同化はもういい」、「クルド人はクルド語を話す、私たちは自由を求めている」、「裁判にかけられているのはクルド人政治家ではない、クルド市民である」と書かれたプラカードが掲げられた。BDPのバスからは、「私たちは、『お前たちは誰だ』といわれる、『お前たちのアイデンティティー、言語はない』といわれる。私たちはしかし、聖なるクルディスタン人なのである」という歌詞のクルド語の民謡が繰り返し流された。
■容疑者たちからの手紙が読み上げられた
ミーティングでは、KCK/TM裁判において容疑者となった人々が書いた手紙が読まれた。クルド語で書かれた手紙の内容は以下:「私たちは名誉ある戦いを続けている。彼らは私たちを捕え、服従させようとしている。私たちの主張を、テロリズムにしようとしている。クルド人は、デルスィム(トゥンジェリ)や、アール、アメド(ディヤルバクル)の牢獄で暴力に屈服しなかった。私たちも屈服することはない。勝利のために、団結しよう。共和国はクルド人を否定したうえで建国されたが、平和をもたらさなかった」
■DTPチュルク代表「団結が進めば、我々は近いうちに勝利する」
BDP議員たちがバスから注意を促していたにも関わらず、ミーティングではPKKの小旗が振られ、女性たちは(シンボルカラーである)黄色、赤、緑のスカーフを身に着けていた。
DTK代表アフメト・チュルクは、ディヤルバクルと周辺地域の土地の人々の言語、アイデンティティー、民主的自治制のため、この場に集まったことを述べ、クルド語で演説を行った。(略)
■デモ行進隊、裁判所に到着
チュルクの演説の後、議員たちと市長を含むおよそ4万人の人々がイスタスィヨン通りから2キロ先にある裁判所を目指し、行進を始めた。行進の間には、PKKやアブドゥッラー・オジャラン、裁判の容疑者たちを支持し、「私たちは皆、KCKである」というスローガンが掲げられた。行進の最後尾にいたあるグループは、警備にあたっていた警察に花火を投げつけた。警察はこのグループにガス爆弾を投げ、鎮圧した。
警察により、行進はウルファカプ区のところで停止させられた。BDP議員スッル・サククとディヤルバクル広域市市長オスマン・バイデミルが警察側と話し合った後、行進継続の許可が下りた。
■戦場と化した裁判所前
午後3時ごろ行進は終了し、参加者の多くが解散した。一方、残ったおよそ5千人の人々は、広域市市役所とその隣の裁判所の前に進もうとし、市役所前でバリケードをくむ警察と対峙した。裁判所へ向かうのを禁じられた人々の中には一部覆面を被ったグループがおり、彼らが警察に花火や火炎瓶、クラッカー、石を投げ、攻撃を行った。警備を要請されていた機動隊も、ガス爆弾や高圧水を放ち、応戦した。
裁判所の前で起きた暴動で状況が戦場と化すと、裁判所周辺にいた報道陣や警察、数名の市民が、その巻き添えとなった。ガス爆弾を避けようとしていたBDP議員のうち何人かは、市役所の建物に避難した。
ガスを使用しないよう警察当局が無線を使い繰り返し警告をするなか、警察とデモ隊のあいだで衝突が始まった。警察は集団を解散させるため高圧の水を放水すると、デモ隊側も警察に向けて石を投げ、攻撃した。
■審理中の裁判所の建物に火炎瓶が投げ込まれた
その間、裁判所の建物の後ろにまわっていたいくつかのグループは、裁判が行われている建物に向かって石と火炎瓶を投げつけた。この暴動によってBDPのバスの窓ガラスは割られ、BDP代表者たちは、暴動を鎮静化させようとバスから忠告を発し続けた。
警察は2機のヘリコプターを飛ばし、上空から対策を指揮した。およそ1時間続いた騒動ののち、BDP議員セバハト・トゥンジェリや、他の党代表者たちは人々に冷静になるよう何度も何度も訴えかけていた。
■バイデミルによる体調不良の訴え
ディヤルバクル広域市市長オスマン・バイデミルは、市役所に避難し、ガスによって体調を崩した人の看護にあたっている際、自身も体調不良を訴えた。
市役所内で手当てを受けたバイデミルの容態はその後、快復したことが伝えられた。
■ハッキャーリとユクセコヴァでも事件が発生
ハッキャーリとユクセコヴァ郡では、BDPによる記者会見の後に事件が起きた。警察は、石や火炎瓶、花火を投げるグループに対し、ガス爆弾や高圧放水を行い対処した。
ハッキャーリでは、BDP系のファドゥル・ベディルハンオール市長やオルハン・コパランBDP県支部長らを含む500人の人々がBDPの建物の前に集まり、市役所に向かってスローガンを発しながら行進を行った。ここでは裁判で、KCKの代表者にクルド語の弁論が許されなかったことに対する抗議運動を行うため、記者会見が行われた。会見後、30人程のグループがダーギョル街区でバリケードをつくり、火を焚いて、PKKやアブドゥッラー・オジャランを支持するスローガンを発し始めた。警察による解散の警告に対し、投石を行うことでこれに対抗した。これを受けて、警察はガス爆弾を投げ、応酬した。暴動は依然、街区内で続いている。
■ユクセコヴァでも衝突
ユクセコヴァ郡では2千人もの人々が、ディヤルバクルで始まったKCK審理に対する抗議を行うため記者会見を行った。ユクセコヴァとシェムデンリを結ぶ幹線道路の上で、記者発表のための文書が、BDP議員ムヒッティン・オナル市長によって読み上げられた。PKKとその指導者であるアブドゥッラー・オジャランを支持するスローガンが発せられる中、警察は警戒態勢を強化した。記者発表の後解散させられたグループは、スローガンを発し、郡中心部に向かって行進を行おうとした。
警察が行進を希望する約100人のグループに対し、許可を与えないとその事件は起きた。警察は、石や火炎瓶、花火を投げ攻撃を行う人々に対し、ガス爆弾や高圧放水を放ち、これを制圧した。路地に逃げ込んだグループと警察の間で衝突が発生した。デモグループは路地でバリケードをつくり、火を放ち、闘争を続けている
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:西山愛実 )
( 記事ID:21168 )