刑事裁判法102条適用で釈放のヒズブッラー関係者、行方くらます
2011年01月14日付 Milliyet 紙
拘束期間を定めた刑事裁判法(CMK)102条の適用により釈放された後、定められた署名をしていないことが明らかになった12名に対して拘束命令が出された。命令を受けて12名の家宅捜索が行われたが、1人として見つからなかった。最高裁判所第9法廷は、その後、署名をしていない全容疑者の逮捕を決定した。
最高裁判所第9刑事小法廷のエクレム・エルトゥールル副長官は、これについて記者会見を行い、2010年1月12日にディヤルバクル共和国検察から法廷に文書が送付され、司法管理措置により釈放された数名の容疑者が、軍警察と警察本部に(署名をしに)出向いていないことが通知されたと述べた。
エルトゥールル氏は、ディヤルバクル共和国検察からの文書を受けて集まった最高裁判所第9刑事小法廷の委員たちが、「司法管理命令に従わない容疑者らついては、至急判決を出すことが必要だという見解に達した」ことを述べ、事件の緊急性から、同日遅くに判決を出したことを明らかにした。
エルトゥールル氏は、「司法管理措置に従わない全容疑者が、この義務に応じていないことから、身を隠したり、逃亡する疑いが生まれたことを鑑み、CMK第112条と100条の目的、適用、そして理由も考慮して逮捕命令が出された」ことを述べた。
エルトゥールル氏は、ディヤルバクル共和国検察に逮捕命令と令状が送られたこと、また、命令が確実に執行されるために、法廷の機密規則に従ったことを述べた。
■12名が署名していない
2011年1月3日にディヤルバクルD型刑務所から釈放された、テロ組織ヒズブッラーの主要裁判の容疑者であるエディプ・ギュムシュ、ジェマル・トゥタル、フアト・バルジュ、アブドゥルケリム・カヤ、ムスタファ・イペキ、そしてシェイフムス・キナイを含む9名と、3名のPKK党員が署名をしていないことが明らかになった。
これらの人物が署名していない件で、ディヤルバクル共和国検察が作成し、2日前に送付された調書について、最高裁判所第9刑事小法廷は決定を明らかにした。
最高裁判所第9刑事小法廷により逮捕命令が出されたことを受けて、警察は12名の住居に家宅捜索を行ったが、捜索では、彼らのうち1人も見つからなかった。
最高裁判所第9刑事小法廷は、CMKの第102条により釈放されながら、法的管理措置に従っていない全容疑者に対して、身を隠す、または逃亡する疑いがあることから、逮捕命令を出した。
■PKK党員もいない
この間、釈放された3名のPKKテロリストらも、署名に行っていないことが明らかになった。PKK党員のナズミ・タシャンジュク、アラッディン・ムハッメト、そしてニハト・ドゥルムシュについて、申告された住所にて警察の家宅捜索が行われ、彼らがそこに住んでいないことが判明した。
■弁護士:彼らがどこにいるのか知らない
最高裁判所第9刑事小法廷の逮捕命令について見解を述べたヒズブッラーの容疑者らの弁護士の一人、スドゥク・ズィラン氏は、釈放された者が組織のメンバーであることについてはまだ司法判断がなく、メディアはこれについて責任ある振舞いをすべきであると述べた。ズィラン氏は、自分の依頼者たちがどこにいるのかは知らないとして、次のように語った。
「私は最高裁判所の判決は間違っていると考える。そこにはグレーゾーンがあると言われている。刑法ではグレーゾーンや、いかなる疑いの片鱗があったとしても、これは、容疑者に有利に解釈されるものだ。しかし、最高裁判所も地方裁判所も、これを容疑者の不利に解釈している。これは司法の基本原則と刑法に違反する状態である。」
■「管理された自由は欠陥のある状態だ」
容疑者らがなぜ法に従い署名に行かないのかという質問に、ズィラン氏は次のように答えた。
「管理された自由が適用されていることも、本質においては欠陥ある状態だ。しかも、これは10年間議論されていることだ。最高裁判所はこれをも彼らに不利に解釈して、刑期を10年まで延ばした。そして、最長期間を満たしたからには、管理された自由などというものはもはや存在しないし、この署名というものも、凡そ独断的なものだ。そのため、彼らが署名しなかったのは、彼らがこれを法に反していると考えたことに起因するのかもしれないし、ほかの問題もありえる。彼らが逃げたかどうかは分からない。彼らが逃げたとするのはどういうことか?彼らは逃げたのだろうか?政府は必ず何か知っている、我々民間人がこれを知ることは出来ないのだ。」
■最高裁判所の決定はまだ我々に届いていない
最高裁判所第9刑事小法廷の出した逮捕命令に抵抗したかどうかについての質問には、スドゥク・ズィラン氏はこのように答えた。
「最高裁判所の法廷委員会に異議を申し立てることはあり得る。またそうするべきであるが、しかし今現在、我々の手には何の情報もない。決定が我々に知らされることが必要だ、容疑者らに知らされることが必要だ。今現在、我々には知らされていない。容疑者がどこにいるのか我々は知らないのだ。アンカラで出された決定が我々に届くのには時間がかかるだろう。家族たちは昨夜の捜索について我々に連絡をしなかった、またはその必要を感じなかったのだろう。」
■エルドアン首相:彼らが速やかに逮捕されることを願う
エルドアン首相は、記者の質問に対して、「彼らが速やかに逮捕され、司法に引き渡されることを願う」と述べた。
■イランに逃げたという情報
釈放後の住所として申告した土地の治安組織へ署名に行かず、再び逮捕命令が出されたが、申告されていた住所で警察が行った家宅捜索ではその形跡がなかった12人のヒズブッラー党員は、イランに逃げた可能性があると考えられている。
情報局が手にした情報によると、組織の上層指導者のジェマル・トゥタルとエディプ・ギュムシュも含むヒズブッラー党員が、まず密かにヴァンに移動し、そこから不法にイランへ行ったと考えられている。ヴァンでも影響力を持つといわれているヒズブッラー党員らは、イラン国境のオザルプ郡、サライ郡、またはバシュカレ郡の農村地帯で、密輸業者の利用するルートを使ったと推測されている。
釈放後に、その多くが二度と姿を確認されていないヒズブッラー党員らが、イランへ行ったと話される中、ヴァンでは警戒態勢に入った警察部隊が次々に作戦を開始したことが伝えられている。
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( 翻訳者:林奈緒子 )
( 記事ID:21173 )