行政裁判所、スカーフ解禁にブレーキ
2011年01月19日付 Hurriyet 紙

行政裁判所第8法廷は、2010年度大学院入学試験(ALES)の秋期実施要項で、スカーフ着用者の受験を許可するとした改正を、「法的根拠がなく試験の信頼性を危うくする」とし全会一致でその施行を停止した。

高等教育機構(YÖK)と大学入試センター(ÖSYM)のスカーフを着用しての受験許可に対し、行政裁判所から初めて待ったがかかった。行政裁判所第8法廷は、2010年度大学院入学試験(ALES)の秋期実施要項で、スカーフ着用者の受験を許可するという改正を「法的根拠がない」としその施行を停止した。高等教育機構(YÖK)のユスフ・ズィヤ・オズジャン会長はツイッターで、この判決に控訴する旨を明らかにした。2010年12月19日に実施されたALESを受験した者の中にはスカーフを着用していた者も数名いた。試験に合格したスカーフ着用受験者とともに他の受験者も、実施要項が無効となれば、合否の結果が変わるのか、あるいは法的にどうなるのか気にかけている。教職員労働組合は、大学試験用に準備された要項に対しても裁判を起こしていた。行政裁判所の今回の決定が大学試験の先例になると期待をよせている。


■決定は全会一致だった

教職員労働組合は、2010年度ALES秋期実施要項で「スカーフを着用して受験した場合試験は無効となる」という文が見られないため混乱が生じたこと、この従来の法決定を無視することは、試験の信頼性を危うくすることになるとして、高等教育機構と大学入試センターに対し裁判を起こしていた。行政裁判所は1月12日に試験要項の施行停止の要求について話し合った。全員一致で試験要項の施行が停止された。行政裁判所は近く試験要項に関する最終決定を下す。

憲法裁判所、欧州人権裁判所、そして行政裁判所によるスカーフ禁止の諸決定に言及されている判決で、「憲法及び法律の規定に照らし合わせ、裁判の論点である改正は法的根拠に基づいていないことは明白である」と述べられていた。

■法的安定性

決定の要約は次の通り。
「裁判の論点である試験要項では、スカーフを着用していない顔写真をとること及び試験ではスカーフを取らなければならないとした規則が含まれていない。このため、出願する男女受験者が出願時に顔写真を撮影する際、または試験当日、持参する顔写真で頭を様々なもので覆う可能性もあり、さらに試験当日同様の格好で受験することにもなるので、顔(身体)識別が困難となり、試験の信頼性という観点からも悪い結果をもたらすこととなる。試験での服装に関する決定は、法的決定で不動のものとなっており、裁判の論点でもある受験要項の規定にまで適用され続けてきた。その適用は実際上のさらには法的安定性を獲得してきた。さらに現行法規のなかで、その法(スカーフ禁止)とは逆の法決定も出されていないので、今まで出されてきた(試験でのスカーフ禁止の)法的判断は今日も効力を持っている。問題となっている試験が2010年12月19日に実施されたことと併せて、試験での諸条件を満たしていないながらも受験を認められたものが、この試験で獲得した点数を3年間使うことができることを考慮すると、試験の影響と結果が継続していくことにより、修復困難となる被害を生み出しうることは明白である」

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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:21211 )