タバコ・酒類市場調整委員会の飲酒規制規約、裁判に
2011年01月19日付 Radikal 紙

世論において論争を呼んだタバコ・酒類市場調整委員会(TAPDK)によるアルコール飲料に関する規約施行の停止と取り消し要求を受け行政裁判所にて訴訟が起こった。

アンカラ弁護士会は、タバコ製品とアルコール飲料の販売、提供の方法と規定に関する規約施行の停止、取り消しの要求のため行政裁判所にて訴訟を起こした。
 
行政裁判所に提出された訴状では、規約全体の取り消しが必要と強調され、規約が憲法、法律における法の基本原理と適用条件に反していると表現された。
規約が、行政に対し「無制限の裁量を与えて」いるとされた訴状では、規約の目的が「社会に新たな生活スタイルを強いること」であると主張された。

「強いられたこの新たな生活スタイルに合わない者を排除すべく罰することが目的とされている」と記された訴状では、委員会が行おうとしているのが「特定の、そして単一の生活スタイルを強いることにより支配し、罰する」ことであると主張された。

訴状では、「民主国家では行政に社会を支配し、罰する権利は無い。訴訟対象である規約はタバコ製品とアルコール飲料の販売、提供に関する規定を同時に定めている。異なった二つの製品グループが一つの規約により規定される法的根拠は全くない。このひとまとめの規約制定は、アルコール飲料もタバコ製品と同様に完全に有害で、ほんの少しでも消費すると依存性をもつという仮説に基づいている。これも科学や法律の目的から離れた解釈である。

規約が欧州人権条約(AİHS)の基本的人権と自由権の不可侵、比例原則に反していると主張する訴状では、規約によりもたらされる広告の禁止とアルコール飲料の販売に関する禁止がアルコール生産者、販売者、事業者の持つ、憲法第48条で保護されている労働の自由をも侵害していると主張した。

■「24歳という区切りには法的根拠がない」

規約では15歳から24歳の者が「若者」と定義され、これらの若者に対しアルコール飲料の提供、販売を行うことはできなくなると表現された訴状では、24歳という区切りには「法的根拠がない」と主張された。訴状では、若者に向けたコンサート、フェスティバル、大学の年末祭においてもこの区切りが適用されると述べられた。

訴状では、「選挙での投票、ローンや義務の発生、結婚といった事柄で18歳になった者は正しい決定を行うことができると看做している法的システムにおいて、飲酒制限をもたらすこの規約は法的秩序と完全に矛盾している」とされた。

■「催しができなくなる」

規約により、資格を与えられた販売者が、販売文書に定められた販売住所の他では販売を行うことはできなくなるとも定められたと強調する訴状では、この状態が、「ケータリングサービスを行う企業が、パーティやイベント、展示会、コンサートでアルコールサービスの提供やアルコール販売を行うことを妨げるだろう」と述べられた。
規約により多くの伝統行事も行うことができなくなるだろうと主張する訴状においては、「被告となった行政には全ての人々の健康を守る目的により規約を施行する権限がもちろんある、しかし行政は、この権限を行使する際事業の存続を無制限に妨げることをせず、事業者の持つ労働の自由の行使を過重な条件で縛りつけないことが必要である」という表現が見られた。

■「酒類の販売が妨げられている」

規約の第22条により、バッカル(小売店)、食料品店、スーパー、大型スーパー、酒屋、ビュッフェといった場所では容量20センチリットル以下の(度数の高い)アルコール飲料の設置と販売が禁止された。行政裁判所に行われた申請ではこの決定により「アルコール飲料の販売、そして消費者のアルコール飲料への接近が公然と妨げられる」と主張された。訴状では、規約によりアルコール飲料を無料で、贈答、支援、賞品、サンプル、プロモーションとして配布することができなくなると予測されることによっても、「生産者、消費者、そして販売者の観点から重大な制限」がもたらされると表現された。

訴状では、スポーツクラブやチームの名称や広告においてアルコール飲料メーカーと提携した名称、ロゴ、エンブレム、そして記号の使用を禁じたことも批判された。また規約の第13条には好きな場所で、例えば海岸、森林、ピクニック区域などでのアルコール消費を禁じると明記されており、これは個人の「自由の侵害である」と強調された。

■「目的は、アルコール消費の制限」

憲法が政府に禁止の権限を認めている事項は、「人々を飲酒からではなくアルコール依存から守ること」であると強調する訴状では、次のようにも述べられている:
「飲酒とアルコール依存が全く異なるものであることは明らかである。規約の施行により達成されることが望まれている基本的な目的が、人々の健康と消費者の権利を守ることではなく、アルコール消費の禁止に向いていることも確かである。規約の施行は、社会に文化的な意味で貢献してきた多くの活動を専断的な形で妨げることである。知名度の非常に高いバスケットボールクラブが名称を変更せざるを得なくなったことはこの一例となり得る。」

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( 翻訳者:岩根匡宏 )
( 記事ID:21213 )