イスラエルに続き、今日(24日)トルコはマーヴィ・マルマラ号事件に関するレポートを発表した。報告ではイスラエルは被害を補償しなければならないとする一方で、乗客はイスラエル軍から性的暴行を受けたことも明らかにした。
トルコは、マーヴィ・マルマラ号事件のあと、国連事務総長の発議で開かれた調査討議に2010年9月1日に提出した中間調査レポートを、アナトリア通信を通じて公表した。
国際調査・審査委員会の出した中間調査レポートには、どの船も安全審査と出入国を合法的に行ったあと、トルコを発ったと述べた。
5月31日のイスラエル軍によるマーヴィ・マルマラ号襲撃事件で、9人が亡くなった。イスラエルは昨日(23日)、この事件に関する調査の最初のレポートで、作戦行動とガザ封鎖は合法であることを主張した。一方のトルコはこれを強く批判した。この一日後トルコ自身もレポートを発表した。
■ デッキに下りる前に二人の乗組員が殺された
トルコは、イスラエル側のレポートで正当防衛を主張する軍人らが、ヘリから銃撃を行い、船のデッキに下りる前に二人の乗組員を殺したと発表した。
襲撃の間、イスラエル軍が民間人に向けて「過剰で、手当たり次第の、不当な力」を行使し、乗客は武器による攻撃を受けて「武器を使わずに正当防衛をした」と述べた。
レポートによれば、イスラエル軍は船を制圧したあとも、肉体的・精神的な暴力を繰り返し、「乗客に不正を働き続けた」と述べた。
■ 「手錠をかけ、裸にされた」
レポートでは、乗客が「打たれ殴られ、ひざとひじを殴打され、水も食べ物も与えられず、トイレにも行けなかった」と述べ、「600人の乗員の味わった辛さは、この悪質で非人道的な10時間に及ぶ航行の末、イスラエルのアシュドット港に到着するまで続いた。乗員の大半は手錠をかけられ、身体検査を受けた。女性は男性のイスラエル軍人に性的な辱めを受けた。ある女性記者が複数回、服を脱がされ、足の間に探知機を入れられたのは、どう考えても法的にいかなる形でも決して許さざるべき扱いである」と述べた。
同時にトルコは、アシュドット港で66日間拘束されたマーヴィ・マルマラ号がイスラエルにより補修され、(襲撃の証拠が)消されたと発表した。
■ 違法であり、慰謝料を要求する
トルコ側レポートでもう一つ重要なのは、イスラエルに要求する補償の法的根拠を詳細に列挙したことである。レポートでは、イスラエルが「生存権」をはじめとする「基本的人権と個々の尊重」を侵していることを強調した。
トルコは、イスラエルが「公海法」を侵害したと主張している。また、戦争で民間人が犠牲となった場合、犠牲者に対する慰謝料支払いは当然かつ、必要であるとする考え方は広く浸透しているとし、「ゆえに、2010年5月31日のマーヴィ・マルマラ号襲撃事件での死亡者・負傷者に対し、イスラエルとその軍隊は慰謝料を払うべきだ」と述べている。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:木村納菜 )
( 記事ID:21253 )